『自分、ホンマに観たい映画無いんか?』
『うん、だから一氏君と同じの観たい。』
『コメディーでも?』
『コメディーでも!』
『…オモんなかったら、途中で出ていっても良えからな。』
『大丈夫。一氏君と一緒なら何でも面白いから!』
『(…そないな殺し文句誰に教わって来とんねん…!可愛過ぎて映画集中出来ひんかったらどないしよ)』
『一氏君、チケット買いに行こ?』
『お、おん、』
『それにしても、ここの映画館、休日なのにあんまり込んでないね。』
『まぁ、地元の人間もあんまり知らへん所やし、穴場っちゃあ穴場やな。』
『へぇ…。』
『次のお客様、どうぞ。』
『おい、行くで。』
『あ、うん。』
『…あら、一氏君やないの。久し振りやねぇ。』
『どうも、』
『最近、あんまり来てくれへんから寂しかったわぁ〜。所で、隣の女の子は?』
『彼女、』
『彼女!一氏君も、もうそんな年かぁ…あ、せやったら今カップル割引しとるから安いんやけど、どないする?』
『じゃあ、それで。』
『まいどー。一氏君、こない可愛え子逃がしたらアカンでぇ。』
『はいはーい。』
『…一氏君、ここよく来るんだね。』
『暇潰し程度なんやけどな…って、何でニヤけてんねん。』
『え?嘘、』
『嘘違うわ。頬緩みきってんで。何や思い出し笑いか?』
『う…、思い出し笑いなんて厭らしい事しないよ…!只、』
『只?』
『…一氏君が私の事、彼女って云ってくれて、嬉しかった、だけ!』
『!』
『…うん、もう映画始まるから行こ『止めた。』へ?』
『帰んで。』
『え、何で、』
『何でも!』

可愛過ぎて映画所やないわ。


2012/09/11clap thank you!
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