最近頭を悩ませている事がある。


「名前ちゃ〜ん!今日もめっちゃ可愛えなぁ!」


こいつだ。

同じ学年の金色小春。

この前、ヤンキーに絡まれていた所を助けてから(普通は逆なんじゃないか)何かと話し掛けてくるようになった。

別に話すのは良い、百歩位譲って。

だがしかし。


「あ、名前ちゃんシャンプー変えた?何時もの匂いと違う気いするんやけど。」


そう云いながら、ごく自然に腕を絡ませてくる。

これだ。

私はこういう風に人と触れ合うのが一番苦手(潔癖ではない、筈)

でも、振り払うのもアレだしそのまま放置しておくんだけど、あまり長い時間くっついているともっとややこしい事が起こる。


「小春ー!浮気かーっ!」


こいつだ。

こいつも同じ学年の一氏ユウジとかいう奴(金色とはテニス部でダブルスを組んでるとかどうとか)

向こうから叫んでいたかと思ったら、急いで私達の所まで走ってきて金色の制服の裾を引っ張る。

私としては一氏がそのまま金色を連れていってくれれば万々歳なんだけど、金色は一氏を物凄く煩わしそうに睨む。


「一氏、ホンマ自分空気読めや糞呆け。」

「ひ、酷…!」


泪目になりながらも金色の裾を離そうとしない一氏は尊敬にも値するしつこさだと思う。

というか、いい加減学校行きたい。

私が溜め息を吐いたのに気付いた金色は、まとわりついている一氏を振り払い私の右腕を引っ張って走る。(気遣ってくれているのか走る速度は少し遅い)


「名前ちゃん、こんなよう分からんキモいオクラは置いといて、早う学校行きましょ!」

「え、うん。」


朝から走るのとか正直辛いんですけど…まぁ、早く学校に行けるならどんな手段でも良いか。

後ろから慌てて着いてくる一氏に追い付かれないよう、私も走る速度を上げた。


(なぁなぁ、名前ちゃんは何時になったらウチの事名前で呼んでくれるん?)
(呼ぶ理由がない)
(理由なら仰山あるって〜!)
(例えば?)
(そら、もっと仲良くなりたいからとか〜)
(私は…特に金色と仲良くなくて(お前小春に何ちゅー事云うてんねんんん!!死なすど!!)
(ホンマ一氏おどれ一回死にさらせ)
(何で!?)
((五月蝿い))


2013/01/31
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