「バンドしたい。」
「…は?」
「だから、バンドしたい。」
「名前、急に何云うてんねん。」
「バンドしたい。」
「せやから、何でバンドやりたいか聞いとるやろ。」
「バンドしたい!」
「アカン、この子話し聞いてへん。」
「いや、聞いてるよ。聞いてるけど聞いてない。」
「訳分からんわ。」
「兎に角、バンドしたいの。」
「別にやっても良えけど、メンバーとか決まっとるん?ちゅーか、そもそも何で俺に云うん?」
「もうバッチリ。白石に云ったのは、白石もメンバーに入ってるから。」
「俺、バンド入りたいなんて云うたっけ?」
「云ったじゃん。録音もあるし。」
「ホンマに?」
「ホンマ、ホンマ。」
「え、ちょ、その録音、今聞ける?」
「うん、ホラ。」

『白石、バンド入ってくれる?』

ザザザザザ

『ん?良えで。』

「ね?」
「ね?やないわ。完全に編集されとるやんけ。」
「編集しようが何しようが、返事をしたのは白石だよ。」
「凄い横暴。」
「もう良いじゃん。次の話しよう。」
「……まぁ、別に良えけど。」
「白石ならそう云ってくれると思ってた。」
「もし財前やったら叩かれて終わりやったやろな。」
「だね。で、面倒だからメンバー云うけど、」
「はいはい。」
「先ず、ボーカルは白石。」
「何で?」
「歌上手いから。」
「…………え、それだけ?」
「そうだけど。」
「もう、何か名前色々雑過ぎやわ。」
「普通、普通。(自分が歌上手いっていうのは否定しないのか)」
「で、ギターは?」
「謙也と財前。」
「まぁ、妥当やな。」
「それで、ドラムは健ちゃん。」
「あー、それっぽいわー。」
「でしょー。何時も皆を影から支えてくれる健ちゃんにはドラム以外考えられなかった。」
「せやな。じゃあ、残りのベースとかはどないするん?」
「一応、ユウジにベースやってもらって、小春にシンセやってもらう予定ではある。」
「当の本人への確認は?」
「取ってないでーす。」
「だと思うたわー。」
「謙也とか健ちゃんとかラブルスは大丈夫だと思うんだけど、財前がなー、分かんないんだよねー。」
「財前面倒臭がりそうやしな。」
「そうなんだよー。」
「まぁ、財前は俺からも頼んどくわ。」
「(何やかんやノリノリだな、白石)」
「ん?名前どないしてん?」
「別に。」
「あ、そういえば、銀さんと千歳は?」
「銀さんはー…ギターとか、」
「幾ら何でも多過ぎやろ。」
「いや、バンドなんてギターまみれだから、気にしちゃ駄目だよ。」
「バンド、何やと思ってんの?」
「千歳はねー…何にしようかなー…でも、もう役割ないんだよねー…。」
「確かに、埋まってんねんなー…。」
「あー、じゃあ、もう相の手とかで良いや。」
「最早バンドでもないし。取り敢えず、千歳に謝ってきなさい。」
「まぁ、今回千歳は都合が悪かったという事で。」
「……てか、名前は何もせえへんの?」
「え?私?」
「せや。さっきから聞いとっても、名前の名前全然出て来えへんし。」
「そりゃ、私はプロデューサーだもん。」
「すまん、意味分からへん。」


2012/09/22
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