「駄目だ、滅茶苦茶暇だ…。」
「そないな事云うなや。まぁ、自習やからしゃーないんやけど。」
「しかも古典とか何すれば良いのさー。」
「課題とか残ってへんの?」
「私は残さないタイプだから何にもやる事無いんだよね。」
「ふーん。それはまだ課題終わってへん俺に対しての嫌みか何かか?」
「んなの知らん。」
「前云うたんやけど。」
「知らん。」
「はいはい。せや、暇なら纏めるの手伝ってえな。」
「えー、嫌だー。」
「ケチいやっちゃなぁ!」
「ケチだよ。」
「キメ顔で云うな。なぁ、ちょっと位手伝ってや。」
「100円。」
「は?」
「100円の貸し付きならやっても良い。」
「えらい少ない数字やけど。まぁ、100円でこれが纏まるんやったら安いもんか…。」
「今は要らない。」
「は?なら何時渡せば良えねん。」
「私が使うって云った時に貸してくれれば良い。」
「変な奴やな。別にそれでも俺は良えんやけど。」
「で、どれ纏めんの?」
「これとこれをページ順に並べといてくれへんか?」
「んー。」
「…。」
「…何。」
「や…、まさかホンマに名前が手伝ってくれるなんて思ってへんかったから驚いただけ。」
「謙也、今誰が貴方の大切なプリントを握ってると思ってんの…?」
「冗談や冗談…!本気にしたらアカンって!流石名前やわ!よっ、プリント纏めの神!」
「もう良いから謙也は早く問題解けば?」
「せやな。まだまだあるし…。」
「にしても、よくもまぁここまで溜め込めるよねぇ…。」
「…………。」
「あー、これやったなー。懐かしいわぁ…。」
「…………。」
「この詩好きだったなぁ。」
「…。」
「春はあげぽよ…。」
「ブフォっ!」
「うわぁっ!謙也汚っ!」
「阿呆かお前ぇええ!!」
「は?何で私のせいにする訳?意味が分からないんですけど。」
「意味分からんのは此方や!何やねん!春はあげぽよて!」
「響きが似てるから面白いかなって思ったから云ったの。」
「阿呆か!響きがしっくりき過ぎて春はあげぽよが頭から離れへんやないかいぃいい!!」
「んなの私のせいじゃないし。私が云った事を勝手に聞いて勝手に吹き出したのは謙也じゃん。」
「確かにそうやけど…。」
「分かったらさっさとやる。謙也が課題しないんだったら私もしないよ。」
「はーい…。」

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「…………まだ?」
「あとちょっと…!」
「まさか放課後まで長引くとか内心思ってなかったわぁ。」
「何や付き合わせて悪いな…。」
「別に。私纏めるのも残るのも嫌いじゃないし、気にしなくて良いよ。つか口動かす暇があるんだったら手を動かしなさい。」
「ん。」
「…。」
「…。」
「謙也、ちょっと財布借りるよ。」
「へ?」
「大丈夫。さっきの100円しか使わないから。」
「あ、分かった。」
「じゃーねー。」

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「終わったー!…ちゅーか名前帰ってけえへんな。」
「あ、終わった?」
「名前、随分遅かったけど何かあったん?」
「ん、ちょっと打ちっぱなしに…。」
「(ゴルフ…?)ふーん。そういえば、何か買ったんか?」
「そうそう。ほい、謙也にあげる。」
「何やこれ…青汁…?」
「うん。」
「何でやねん…何で課題終わりに青汁…。」
「嫌いだったっけ?」
「いや、好きやけど。好きなんやけど…。」
「なら良いじゃん。」
「…まぁ、良えか。」
「うんうん。」
「名前ー。」
「何?」
「手伝ってくれておおきに。助かったわ。」
「良いってそういうの。私がやりたくてやっただけだから。」
「や、でもホンマ「うっさい。私が良いっつってんだから何回も云わすな。」はい。」
「にしても疲れたわー、ずっと書いとったから肩凝ったし…。」
「揉んであげようか?」
「え、」
「何。」
「名前、今日ホンマにどないしてん…やけに優しいやんか…!」
「私は何時でも優しいでしょうが。」
「少なくとも只立っとった俺に面白半分で大量のボール投げてくる奴は優しいとは思わん。」
「ふーん。じゃあ肩揉んであげない。謙也の肩なんて一生凝り固まってれば良いよ。」
「一生!?」
「あー、それと誕生日おめでと。」
「…へ?」
「何?勇気出して云ったんだから何か返してよ。」
「え、や…、おおきに!」
「いえいえ。」
「…。」
「…。」
「名前、」
「何?」
「帰るか…?」
「うん。」
「もう遅いし家まで送ってったるわ。」
「謙也、今日自転車だったっけ?」
「おん。久し振りに二人乗りしようや!」
「二人乗りは法律により禁止されております。」
「今日だけ特別!」
「…待って。」
「どないしたん?」
「あっつい。さっきから熱くて熱くてヤバいわ。だからもう少し落ち着いてから帰る。」
「大丈夫か?」
「…誰のせいだよ。」
「ん、何か云うた?」
「何にも。つか此方見んな、覗き込むな。」

(ホンマは名前が恥ずかしがっとるの分かっとるけどな。)

2012/03/17 O.Kenya HappyBirthDay!
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