「名前ー。」
「何？」
「チョコは？」
「は？」
「え？」
「別に作ってないけど。」
「嘘や…！」
「嘘だよ。」
「何やねん、下らんボケはせんで良えわ。リアルに焦ってもうたやんけ。」
「何で焦る必要あんの？白石は毎年見せしめの様に大量にチョコ貰ってるくせに。」
「確かにそうや。せやけど、名前以外から貰ったチョコは食べたないねん！」
「白石最低女の子の敵。」
「何で!?」
「あんたにとっては沢山のチョコっていう一括りなのかも知れないけど、その一つ一つにあんたへの気持ちが詰まってんだよ。」
「…………。」
「そんな事にも気が付かない白石にはチョコ貰う権利なんて無いし、あげない。謙也にあげる。」
「…分かった。分かったから謙也にだけはやらんとって。」
「やー。」
「ホンマに勘弁してぇな！ちゃんと家族で分けて食べるから！」
「白石のそういう所が嫌いかな。という事でこのチョコは謙也行き…あ、財前も良いなぁ。」
「分かりました！全部責任持って俺が食べるからチョコ下さいー！」
「よろしい。」
「ほ…。」
「…女の子はね、そういう事凄く気にするんだよ。」
「名前も？」
「まぁね。」
「何や、今年のバレンタインは深イイ事聞いたなぁ。」
「得したね。」
「せやな。で、チョコは？」
「…………。」
「…名前、チョコは？」
「あのね、本当はね、」
「アカン、嫌なフラグが立ってもうた。ごっつ聞きたない。」
「作ってないんだ。」
「いやぁあぁああぁ!!」
2012/02/14HappyValentine!