「あー、もう無理、死ぬ。」

「死ぬ云うな。耳障りや。」

「へいへい。」


私の口癖"死ぬ"

特に意味もなく疲れたり面倒だったりする時に使う、まぁ、稀に本気で死にたい時もあっちゃったりするけど財前を残しては死ねないなぁとか下らない事考えてるから殆ど無い。

私は別にどうとも思わないけど彼氏の財前があまり好かないらしい、理由は教えてくれない。

"耳障りや"とか"五月蝿いわ"とかしか云わないから最初は気になってた私も今では然程気にならなくなった。

今日もつい癖でぽろっとその単語を溢したら、最早恒例の財前の"耳障りや"発言。

うん、直そうとは思ってるんだけど癖だもんで考えてたより直すのは難しい。

というか、この際何で財前がそこまで"死ぬ"って単語に過剰反応するのか知りたい。

もしかして、私が死んだら寂しいからとか?流石に自惚れ過ぎかな、なんて事を考えながら財前に話し掛ける。


「財前ー。」

「…何スか。」

「何で財前は"死ぬ"って云ったらそんな怒るの?」

「…。」


あ、唇触った、云い出し難い時の財前の癖、知ってるの私だけだと良いな、そんな風に一人で小さく笑っていると財前が口を開いた。


「何っ時も云うとるけど、耳障りやねん。不快感しか残らへん、気持ち悪い。」

「ふーん。」


やっぱりそんな事だろうと思ったよ、良かった期待してなくて。

私がそっぽ向きながら手でハートを作り、らぶちゅーにゅーってしてると財前は小さく云った。


「死ぬなんて云うな。せやけど黙って死ぬな。あんたがおらんくなったら、つまらん。」


私が考えてた"いなくなったら寂しい"説も強ち間違ってなくて嬉しかったからニヤニヤしてたら財前に、キモいっすわーって云われた。

けど、嬉しいからしょうがないよって思いながら少しだけ猫背の財前にぎゅっと抱き着いた。

2011/11/23
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