白石君の場合


「せやから、あれだけ帰ったら手洗いうがいせえって云うたやろ。」
「あい、ご…め゛、…ざい゛…っ、」
「あー、もう良えわ。ちゅーか声がらがらやん。」
「う゛ん、」
「聞いとる此方が辛なるわ。しんどいんやったら、もう喋らんで良いんやで?」
「ご、め…ん゛…。」
「名前が謝る事なんか何もない。兎に角、早風邪治そうな。」
「(うん)」
「よし、良い子や…。そんな良え子にはご褒美あげんとな。」
「(?)」
「名前が寝るまで隣におったる。安心して眠り。」
「(…良いよ!寂しくないし、一人で大丈夫だし、第一白石に移しちゃうかも知れないじゃんっ!)」
「良えから、素直に受け入れとき。」
「(で、も…)」
「俺が名前の側におりたいねん。…アカンか?」
「(ア、カン、事…無いです…)」


謙也君の場合


「2日連続で学校休んどったから、心配で来てみたら風邪引いっとったんかいな。」
「お゛、よっ、うづ、じで…ろ゛か?」
「止めれ。それより、大丈夫なんか?熱はなんぼなんや?」
「38.6…がな゛、」
「高っ!何やねん、そないに高いんやったら何でもっと早く俺に知らせてくれへんかったん!」
「だっ、で、メ゛ール…打づの、辛い…、も゛ん…。」
「…せやなぁ…。熱有る状態で打っても、只の暗号になるわなぁ…。」
「……ふぅ…。」
「あ、辛かったら喋らんでも大丈夫やで。その様子やと、扁桃腺かなり腫れとるみたいやし。」
「(…分かった。)」
「せや、卵粥作ったるわ!浪速のスピードスターはお粥作るのも早いっちゅー話や!」
「(ありがと、)」
「かまへんかまへんっ。なんぼでも頼ってや!」


財前君の場合


「まぁ、季節の変わり目やから体調崩しやすいんやけど、まさか名前さんみたいな阿呆がなぁ…。」
「も゛う、じ…わげ、…い…。」
「別に名前さんの事責めてるんと違いますわ。」
「え゛、?」
「ちょっと前から調子悪そうやなとは思っとったけど、ここまで酷くなるとは思ってへんかったわ…。」
「ざ、い…ぜん゛、」
「…何スか。」
「手、づめだ、い゛…?」
「は?手?まぁ、それなりに冷たいけど。」
「じゃあ、わ゛、だし…の、おで、こ…当でてー。」
「…ホンマ、あんた阿呆やな。」
「ざい…ぜ、づめた、ぐ…てぎも゛ち、いー…。」
「…なら、良かったっすわ…。」


一氏君の場合


「うわっ、この部屋空気悪っ。」
「閉め゛ぎ、らない…と、家族、に…う゛づしぢゃう、じゃん…っ。」
「せやけど、軽い換気位せえや。こんな環境やったら、治るもんも治らんで。」
「…じゃあ、上窓…だけ、ぢょっ…開げ、て、」
「へいへい。こん位か?」
「う゛ん。あ゛りがど、」
「別に窓開けた程度で礼なんか云わんでも良え。」
「…何が、今日、はユ゛ウ…ジやざじい、ね゛…。」
「何云うてんねん。何っ時も優しいやろ。」
「どこ、ら゛ん…、が?」
「…何処でも良えやろ!ちゅーか、風邪早う治して学校来いや!名前おらん、と……、」
「ん゛?」
「け、貶す相手おらんくてストレス溜まんねんっ!」
「え゛え゛ええー…。」


小春ちゃんの場合


「名前ちゃん、まだ熱有るん?」


「まだ…、案外、に゛も…。」


「そうなんか〜。名前ちゃんが学校来いひんから、テニス部の皆も元気ないねんな〜…。」
「ごめ゛、ん…、わだじ、マネ…なの、に、役に、立だなぐで…。」
「そんな事無いで!名前ちゃんは何っ時もようやってくれとるやないの。皆、あんまり口には出さへんけど、名前ちゃんに感謝してんねんで?」
「…う゛わぁ゛…何、ぞれ…泣げ、る゛…。」
「泣いたら良いやない〜。今は、うちと名前ちゃんしかおらへんのやし。」
「……ふぇ゛…、う゛ぁあぁっ、」
「よしよし〜。沢山泣いて良えで。それで、泣き疲れたら眠ったら良え。全部うちが受け止めたるさかい。せやから、早う元気になってな?」


千歳君の場合


「名前が風邪なんて珍しかね。何か、いたらん事でもしたと?」
「何、も、じでな…いっ、」
「名前、無理しなすな。」
「ぞ、でも、ない゛よ゛…。」
「ばってん、現に今風邪引いとっとよ?」
「ご、れ゛は、だ…まだま゛…。ど、いう゛が、千歳…、部活、は?」
「部活はどぎゃんでんよか。今は名前の方が大事ばい。」
「いや、わ゛たじ、の事…は、良い、がら゛、部活行きなよ゛…。」
「名前も大人しかったらむぞらしかねー。」
「(話聞く気無いな…)」
「どげんしたと?」
「別に、千歳は、何でも、がん…でも゛、可愛い、って云うなぁ゛っで、思って。」
「本当の事だけん。」
「う゛ぅ゛…。」
「恥ずかっしゃする事なか。ホンマ名前むぞらしかよ?」
「(風邪以外で熱上がっちゃうから、千歳帰って欲しい…)」


金ちゃんの場合


「姉ちゃん、風邪大丈夫か…?」
「まぁ、ぞごぞご…がな、」
「どこがそこそこやねん!滅茶苦茶声枯れとるやん!」
「う゛…。」
「何や、わいに出来る事あらへん?姉ちゃんの変わりに何でもしたるさかい。」
「別に…。大丈夫、だよ゛、金ぢゃん゛…、迷惑、掛げら゛んな゛いじ、」
「何云うてんねん!姉ちゃんは風邪引いてんねんやから、もっとわいを頼ってえな…。」
「……金、ちゃ、」
「…おん?」
「手、繋い、で…て、ぐれ゛る…?」
「!…おんっ!お安い御用やっ!」


2011/10/05
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