庭球 | ナノ
 


目が覚めてぼやーっとしながらカーテンを開ける

日差しがいい感じに照っていて雀がちゅんちゅんって清々しいぐらいに鳴いてる


携帯に目を向けると新着メールありの色で光ってて中身を見たら数十件

日付を見ると4月14日

せや、今日俺の誕生日やん


ちょっとわくわくしながらメールを開くと新着順に名前がかかれてる


でも俺が期待していた人からのメールはなかった



「ってなんでないねん」



若干…いや、物凄いショックなんやけど



とりあえずざーっと確認すると大半はテニス部からだった


あとはなんやかんやでアド聞かれた女子ぐらい



せやからなんでアイツは送ってきてへんねん



まさか…忘れてる…?



え?彼氏の誕生日忘れる?


俺が期待しとったんわ0時ぴったりに電話くるかなとかメールくるかなって期待してたんやけど…



って俺は乙女か!



自分で自分をつっこみながらもやもやーってしたまま支度を始める


俺絶対朝練ままならんわ



「いってきまーす」



テニスバッグしょっていつもと同様に家をでる



『わっ!』

「どわっ?!」



家を出るなり誰か飛び出てきてついでに俺の心臓も飛び出るかと思った…!


『どしたん、蔵?元気ないやーん』

「…」


いや、お前のせいやから


『くーら?』


首を傾げる彼女に気付いてはっとする


「ってか自分どしたん、こんなはよに…」

『どしたんって今日蔵の誕生日やから1番に会いたくて!』


笑顔でいう彼女が愛しくて思わず抱きしめた


『ちょ、くら?』

「メール…」

『メール?』

「なんでくれんかったん」

『いや、メールなんか1番はスピスタ謙也君が取りそうやしファンの子から山ほどきそうやし直接かなって!』


…スピスタ謙也君な…、
あいつ11時59分に送ってきて「どや!俺が1番やろ」とか書いてた気ぃするわ
ってなんやねん、メールなくて萎えてた俺があほみたいやんか


『メール欲しかった?ごめんな?』

「もーええよ」


そういってぎゅっと抱きしめたら彼女もまた抱きしめ返してくれる
抱きしめた彼女は冷たくてまだ春も始まったばかりなんやなと季節感を感じた、


ってかこんな時間に玄関おるってお前いったい何時からおってん



ピピピピピピ



『おう…!アラームや!』


俺の腕からするりと抜けた彼女は携帯を取り出してアラームをきった。




AM6:30

いっつも自分が起きるであろう時間に俺に会いに来てくれた事が嬉しくて


(直接おめでとう1番うちだよねっ?ねっ?)
(いや、ふつーにオカンに言われたけど)
(はっ!盲点…!)
(あほ(可愛いから許すわ))





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白石誕生日企画
くら誕!に提出させて
いただきました!
蔵、はぴば(*´ω`*)

20110414