庭球 | ナノ
 


「けんやくん誕生日おめでとう!」

学校に来て早々かけられる言葉、知らん子とかからいっぱい言われるけどまぁ悪い気もしゃーへん。

「おおきに」

そういってかわすと手作りやらなんやら沢山溢れるプレゼント

「なんや謙也今日誕生日かいな」

隣にいた白石がまじかと言った表情で俺を見る。
忘れてたんか…!別にええけどな





「んで、気になる彼女におめでとうはゆうて貰えたん?」

「ごふっ!!」

昼休みいつも決まったようにテニス部員と食べているときに白石から言われた一言、
お前…!

「なんやケンヤ気になるやつおんのか?」

「だれや?だれや?」

その発言と俺の反応を見て一緒にいたユウジと小春が食いついてくる
白石…!


「勘忍な〜」


はははといい笑顔をしながら俺の睨みをかわす白石が憎い…!



「謙也のタイプ的に」

「わかった!あれやろ!1組の…」

「ちゃうやろ5組の…」


俺の周りでぎゃいぎゃいぎゃいぎゃい特にユウジと小春!
俺の気になるあの子は1組のあいつみたいに派手とちゃうし5組のあいつともちゃって化粧とかしてへんわ

とか思ってる間に勝手に話広げやがって…!



『おした「あーもうお前らうるさいっちゅーねん!!」…ご、ごめん!』



ん?今あきらかに女子の声が…


ばっと隣を見ると俺に手をのばして肩を叩こうとしていたのであろう体制でとまっている子がいた



噂をすればなんとやら



まさに俺がついさっきまで思い浮かべてた子だった



あ…やばい…



『ご、ごめんね、出直してくる!』

「うわあああ!ちゃう!ちゃうから!こいつらやから!自分ちゃうで!」


とりあえず必死に誤解をとくと「そう?」と言わんばかり首を傾げる相手

やっばい…!きゅんときた…!



「んで、どしたん?」

『いや…その…これっ』



視線を下に落としつつ渡されたのは両手の平程度の小さな箱


「…おれに?」

『うん』


受けとって見るとふわっと紅茶の匂いがした


『忍足君今日お誕生日よな?』

「おう」

『紅茶シフォンなんだけど…よかったら食べてね、それじゃ』


はにかんで去って行った彼女が可愛いすぎて思わずぼーっとして見送った



その後にも女子が数人きてプレゼントをくれた
けどもう誰がどれかわからへん



「謙也よかったなー」

「よかったなー」

「紅茶シフォンの子やなー」


うんうん、紅茶シフォ…


「ってなんでわかってん…!」


「いや謙也わっかりやっすいわ〜」

「ほんと謙也クンったらウブ」


周りがげらげら笑い出す
とりあえずユウジを足蹴にした



「これは期待できそうやな」


そう言って笑う白石に思わず苦笑した




日付変更線

今日で俺の青春の日付が大きく変わりそうです



(ってメアド入ってた…!)
(お、やったやん)
(なんて送ればええん?!)
(いや、ふつーに今日ありがとうとかでえーんちゃうん)
(き、緊張する…!)
(((お前は乙女か)))




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謙也誕生日企画
けにゃ誕!に提出させて
いただきました!
謙也はぴば(*´ω`*)

20110317