かぼちゃケーキを焼いてみた



「「南瓜ケーキ?」」
『もうすぐハロウィンだろ?だから試しに作ろうかと思って』
男性の身長平均をゆうに越す二人に並ばれると圧迫感が凄い。更に私の手元にある料理本を覗き込むものだから、体格で背景が見えなさすぎて笑えてくる。

「君は料理を作れるほど器用なやつだったかな」
いつもの調子で花京院がからかってくるので、それなら自分一人の取り分しか作らないと脅せば大人しくなる。
「花京院も女から貰えるじゃあねーか、色々と」
「君はいつも女性に囲まれているからそういうことが言えるんですよ……」
非リアの気持ちを分かれと暗に揶揄してくる花京院の心情は残念ながら承太郎には察せ無かったようだ。しきりに首を傾げている。そのイケメンフェイスが羨ましい。
『どうせならこの三人で作らない?ジョースターさんやアヴドゥルさん達にもお世話になっているので、こういう形ででも返していけたらと思ってるんだけど』
そう言えば二人とも了承してくれた。


何かが、というよりも空気自体が焦げているような匂いと、空気混じりの水飛沫が床に打ち付けられる音がこの部屋全体を支配している。
『百歩譲って花京院のオーブン爆破は許そう。まだ常識の範囲内だし。だがな!』
ドンッ!と揺れるほど壁に叩きつければ、巨漢二人がびくりと体を固くする。

『なんで承太郎はスターさんで割ろうとしたんだよぉーッ!右に並ぶもののいない正確さで私の家のキッチンがブッ壊されてんじゃあねェかぁぁぁあぁぁぁあ─────ッ!!』
頭を抱えて踞れば、破裂した水道管から跳ねる水沫がつむじに落ちてきた。
「……す、すまなかった」
「……やれやれだぜ」
ちょっと目を離した隙にという言葉がこれ程似合う場面もないだろう。帽子も無いのに額に手をやる承太郎は先程から全くこちらを向かないので暫く許さない。

結局ホリィさんに頼み込んで台所を貸して貰うこととなり、彼女の指導もあって無事にケーキは完成したのだった。

後日ジョースターさんやアヴドゥルさんにお裾分けしたらとても喜んでくれた。






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