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コンフェイト大森林にて【マイソロ3・ユリフレ・ギャグ】
※マイソロ3設定
魔物退治のクエストを受けて、バンエルティア号からコンフェイト大森林に降り立って数時間。
既に目的の魔物の討伐数は達成され、後はパッと戻ってアンジュに達成報告をすれば、無事クエスト達成となるのだが。
「…なぁ、別にそのままで帰りゃいいじゃねぇか」
「いいわけあるか!!こ、こ、こんな破廉恥な姿…もしエステリーゼ様に見られたら……っ僕は死ぬ!!(泣)」
「僕も嫌だからな!!主にリッドとかリッドとかリッドとか!!…大体なんでよりにもよって『こんなの』しか持ち歩いてないんだ!!」
「…………(しゅん
)」
上から、ユーリ、フレン、キール、キラ(ディセンダー)の会話である。
先ほどから魔物の来ない石壁の向こう側で焚火をしつつ、同じやり取りを繰り返していた。
…それというのも、時を遡ること1時間前。
「っしゃ!ラスト一体!!」
軽やかに立ち回り、ユーリが最後の一体に留めをさす。数は多かったが、大した敵ではなかったため割と早くに片が付いた。戦闘狂いのきらいがあるユーリとしては、何だか物足りないような気もするが、まぁ今回はよしとしよう。
後ろの方で可愛い恋人がキラとキールにファーストエイドをかけているのを見て、自分も恩恵に与ろうとそちらに足を向ける。その直後だった。
ガササササ…!
「!新手か?!」
茂みの方からの物音に咄嗟に愛刀に手をかける。が、それよりも早くフレンとキールが反応した。
「「そこか?!」」
おぉ…息ピッタリ。なんて感心していられたのも一瞬で。
Σガッ!ばしゃーーーん!!!
二人は一瞬にして茂みに消えた。
「……!!(焦)」
「っおい!どうした?!」
キラと共に二人が消えた辺りを覗き込む。そこに見えたのは…
「………大丈夫…か?」
足を引っ掛けるのが目的であろう、草同士を結んで出来た稚拙な罠(大量)と、その罠で倒れると思われる位置にある(というより、コレに合わせて罠を作ったんだろう)泥沼(緩い段差付き深さ約1m)。そして見事にソレに引っ掛かり泥沼にダイブした、泥だらけの騎士様と魔術師。
「……ゆーりぃ(泣)」
「(うっ…////ちょっと泣きそうな顔がまた可愛い…!)怪我は?近くに川があったろ、そこで…」
「抜けない…」
「は?」
「っ鎧、泥から抜けないんだ!!」
引っ張ってくれ!と真っ赤な顔で怒鳴るフレンは、苦しい態勢と、罠に引っ掛かった羞恥とで本気で泣きそうになっている。
隣では同じく足が抜けなくなっているキールをキラが必死に引き上げようとして、逆に勢い余って落ちそうになったのをキールが腕を突っ張り微妙なバランスで支え合っていた。
まぁ、フレンの様子からして怪我はしていないようだし、一先ず安心する。
やれやれ、と溜息をついて、ユーリもフレンを助けるべく、彼の元に駆け寄った。
とりあえず二人を泥沼から救いだし、(鎧は結局抜けずに放置した。後でコングマン辺りに引き上げの助っ人を頼むしかないだろう。)近くの川へとやって来た。とにかく一刻も早くこのヌメる泥を落としたかったらしい二人は我先にと衣服を脱ぎ川へ入っていく。ふと思いだし(余りにも空気過ぎるため時々忘れがちだが)、女の子であるキラへ視線を向けるが…流石は母なる世界樹の申し子、男の裸(←下着は着けている)など全く気にしていなかった。それどころか自分も服を脱ぎだして水浴びを始めようとしたので、慌てて止める。…頼むからそんな不満そうな顔をして見つめないでくれ。止めなきゃ後でカノンノに恨まれるのは俺なんだって。
そんなこんなで、一人洗濯(?)に勤しんでいた訳だが、(キラはさっきから同じ中空の一点を見つめ続けて何やら呟いている。…怖いので突っ込まないことにした。)そこで問題が起きた。
「ところでユーリ、君何か着替え持ってるかい?」
体の泥を洗い流し、背中越しに少し恥じらいながら問われて、思わずきゅん
と、ときめいてしまったが、平静を装って返事を返す。
「着替え?んなもんあるわけねぇだろ」
………………。
「Σちょ…待った!キラ!!着替えは?!あるだろローブとか…」
「(ごそごそ)………っ!」
すっ……
「…なんだよソレは」
「…体操服と運動靴じゃないかな…?」
「しかもキラサイズだな」
「………(←キールに差し出している)」
「Σ僕が着るのか?!」
「まぁ…君しか着れないよね…そのサイズじゃ僕は無理だし、あるだけマシだろう?」
「だな」
「マシって……コレ下ないじゃないか…(泣)」
涙ぐみながら着替えるキールを横目に、しゃーねぇなぁ…と呟きながら(それでも顔は物凄く愉しそうな)ユーリが徐に帯を解き、上着を脱ぎだした。それを黙って見つめる他三人。
上半身裸になったユーリが、脱いだ上着をフレンに差し出す。
「え…?」
「あるだけマシ…だろ?」
ニッコリと爽やかに笑うユーリに、フレンは顔を引き攣らせながら「あ…ありがとぅ…」と答えるので精一杯だった。
ーそして冒頭の台詞に戻る。
「今回のクエストは退治数が多いから、倉庫に回復アイテム以外全部置いてけっつったのキールだろうが」
寧ろそのあとロックスのところに寄ったキラに感謝しろよ。
ユーリは呆れたように、三角座りをしているキールに言葉を零す。悔しそうに裾を気にしつつ、膝を抱え込み涙を耐えるキールの頭をキラが無表情で撫で回していた。
まぁ、キールいじりもこれぐらいにして(酷)、兎にも角にも服が乾かないことには帰れそうもない。
「どうすっかな…」
一同焚火の炎を見つめながらうなだれていると、微かだが、人の声が聞こえてきた。しかも結構聞き慣れた感じの声に、フレンとキールが瞬時に固る。
「全く、どうするんだ?あの様子だと誰か被害に遭ってるぞ?」
「あぁ…まさか人が引っ掛かるとは思わなかったんだよ…」
「あの鎧…まさかフレン…?大丈夫かな??」
「Σフレンがあんな罠に引っ掛かるわけありません!ユーリも一緒ですし…きっと大丈夫です!!」
……最悪だ。
上から、ガイ、リッド、カノンノ・エステルの声だろう。
このタイミングで彼らが出てくるとは、つくづくフレンとキールはツイてないらしい。
「アレ…魔物取りの罠だったのか…そういえばリッドとファラが仕掛けてるの見たことあったな…(遠い目)」
「どうしよう…っエステリーゼ様にっバ、バレて……っ(泣)」
「や、まだ大丈夫だろっ?(汗)希望を捨てるなって。つか早まって暴走すんなよ…?!」
「……………。…………!!!」
ぱぁぁぁぁぁ………!!
その時、周りが一瞬にして光りに包まれた。どうやらキラの『浄化』の力が発動したらしい。
ゆっくりと浮き上がるキラに合わせて、近くにあった焚火の火や、その火で乾かしていた洗濯物(もといフレンとキールの服)も揺れ動く。
「まさか…乾かすつもりか…?」
「「キラ…」」
一同注目の中二つは浮き上がり混じり合う。そして……
炎が衣服に引火した。
「Σ?!………っっ!!」
ごすんっ!!
茫然と燃えゆく衣服を横目に引火に驚き気が逸れたキラの浄化が途中で途切れ、そのまま落ちたキラは腰を強打して悶絶している。
「だ、大丈夫かい、キラ?」
「服が……」
「あぁ…こりゃもう着れねぇな……諦めろ」
「Σそんな!!」
「…………
(泣)」
「キラ〜〜〜〜〜っ…はぁぁ…、も、気にするな、良かれと思ってしたことだろ?…愚痴って、悪かったよ」
「…………っっ!!!
」
感激で飛び付くキラに押し倒されながらも、ちょっと照れた顔でキールはキラの頭を優しく撫でる。兄妹のような、なんとも微笑ましい光景に、知らずユーリとフレンの表情も和んだ。
「ユーリ」
「ん?」
「すまない、折角洗ってくれたのに着ることが出来なくて」
「んなの気にすんなって」
「…うん………ありがとう////」
ぴと
(キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!)
滅多にないフレンからの『甘える』が発動っっ!!!(喜)しかもさりげなく指を絡めてくるという、なんとも嬉しいオプション付き!!!
(お、落ち着け、落ち着くんだ俺!……この場合、押し倒しても大丈夫だよな?←(?!)右ストレート飛んできたりホーリーランスで刺されたりしないよなっっ?!)
どぎまぎしつつ、絡めた指に軽く力を込める。
「フレン…」
「本当だよ!!今この辺りからキラの光が……………」
「「「あ。」」」
石壁を隔てた向こう側で、上半身体操服、下半身下着のみの男と女が縺れ合い、片や上半身裸の男と生足脚線美を晒した男が睦み合っている光景が目の前に広がっている。
(忘れてた……)
目の前にいるカノンノは目を見開いたまま愕然と佇み…その視線は一身にキールとキラに注がれている。
「(おいっ!キール、ヤバイから離れろ!!)」
「Σへっ?」
「キィィ〜〜〜〜〜〜〜〜ルぅぅぅ!!!」
普段温厚な娘ほど、怒らせると始末に終えない。今まさにそれをキールは体感することとなる。
「永遠の今という瞬間の中に…響け、ラブビート!!!」
「Σうわぁぁぁああ!!!」
「Σそれこっちも被害喰らうだろーが!!!」
咄嗟にフレンを庇って覆いかぶさる。が、勢い余って服の合わせを引っ張ってしまいそのまま前が弾けてしまった。
「ゅーり……痛い////」
「ぅ………」
目の前には見慣れてはいるけれども、未だにまばゆいばかりに輝く夢の花園が………!!!
「フレ…」
「ユゥゥ〜〜〜〜〜〜〜リィィ?」
その時、俺は悟った。
あぁ、ツイてなかったのはフレンとキールだけじゃなかったんだということを…。
「エステル……」
「私のフレンにこんなことをして……………」
覚悟はいいです?
その台詞、おれの専売特許なんですけど。
「で、パーティー全滅?バカっぽい」
「そう言うなって………あの壮絶さはあの場に居合わせなきゃわからないよ……(疲)」
「あぁ……キールは口聞いてくれないしっ……宥めるの、大変だったんだからな……っ!!(泣)」
泣くなリッド、と肩を叩くガイの目にも光るものが見える。ある意味一番悲惨なのは無関係なガイだろう。
そして実は今も場所を医務室に移して口論は続いていた。
「お願いです、エステリーゼ様…どうか私のことは気になさらず…」
「いいえ、私にはフレンを守る使命があります!!」
「おい、使命ってなんだよ。まさか俺から守るのが〜とか言わねーだろうな?!俺はそいつの恋人だぞ!!」
「ユーリが、あんなにケダモノだとは知りませんでした!」
「まて、言っとくが男は皆洩れなくケダモノなんだよ!!ぁ、フレンは子羊だけど……!!」
「Σ何を訳のわからない事を言ってるんだユーリ////!!」
「そうです!フレンは子羊じゃなくて子兎ちゃんなんですぅ!!」
「エステリーゼ様…(泣)」
「あぁ…全部リッドのせいだ、バカリッド、アホリッド、変態リッド!!!」
「……………(泣)」
「…別にお前は悪くないだろっ!」
「………っっ
」
「フン。(ぁ、でも、もう抱き着いてくるなよ?……後ろのピンクが恐いから……(汗)」
「何か言ったかな?キール
」
「っいえ!なんでもないです!!」
「やっぱりバカっぽい」
「ははは……」
今日もバンエルティア号は平和です。
当初と話の方向性が変わってしまった。←(よくある)
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