リレー小説 | ナノ
「………」
自動販売機が自動販売機に激突して5秒。「あはは、シズちゃんてばー、自動販売機投げたら駄目じゃん。人いたよ?死んでたりして!」という会話が聞こえた。…なんでそんな楽しそうに言うんだ。どんな嫌な顔の人なんだろうと思った。私の前には飛んできた自動販売機が目の前にあり、会話をしてる人達は見えない。
この自動販売機どうするんだろう。自動販売機に激突した自動販売機は傾いていて激突された自動販売機は綺麗に壊れている。というか、この自動販売機何処から持ってきたのだろうか。持ってきた人すごいなあ。
「直すしかないよね」
私は落ちていた100円を拾い財布に押し込んだ。そして立ち上がり激突した自動販売機の傾きを直そうと傾いている反対側に押す、力をかなり入れても動かない。こういう時男性の力の強さが羨ましくなる。まあ、それはおいといて、本当に動かないビクともしない。一回押すのをやめ、深呼吸する。よし、やるぞ!自動販売機を力いっぱい押す。するとギシ、と音がした。顔を上げれば、吃驚仰天自動販売きがまっすぐに立っている。声がでなかった。私にそんな驚きな力があったなんて…あ、涙が……。
「おい」
「………え」
自動販売機の後ろから人が出てきた。その人は身長が高くてバーテンダー服と金髪が目立つ人だった。掛けているサングラスが妙な恐ろしさを感じさせた。まさか、私の驚きの力じゃなくてこの人の力で自動販売機が…?
「あの…もしかして、自動販売機はあなたが…?」
「ああ、そうだけど……怖いか?」
「何でですか?!すごいじゃないですか!てっきり私の驚きの力かと…」
「お、驚きの力…?」
「それは、恥ずかしいので聞かないでください」
何故か初対面の人と親しく会話をしていた私は気づく。その人の頬に切り傷があった。血が頬伝って、地面に落ちている。確か、絆創膏があったはず。
「あの、ほっぺ大丈夫ですか?」
「ああ…このくらい、全然痛くねえよ」
「絆創膏、よければどうぞ。というかもらってください」
私は無理やりほっぺに絆創膏を貼る。その人はいてっ、と顔を顰めた。
「それでは、これで失礼します」
私は逃げるようにその場を走り去った。
♀♂
池袋の人ごみのなかに戻った私は、胸がどきどきした。
なぜなら、
そこに素敵な包丁があるからだ。
「…何、見てるんですかぁ。」
その少女は私を見て鋭い目つきでこちらを睨んでいる。そこには殺気も感じられた。だが、私は包丁が素晴らしすぎてそんなの気にしてられなかった。
「折原さんのこと見ないでくださいよぉ。
折原さんのことを見ていいのは私だけなんですからぁ。」
折原?誰だろう?聞き覚えのない単語が飛び出すものだから困った。
「違います、あなたの包丁を見てたんです!」
「…包丁?」
「それ、すごくいい包丁ですね!」
素直な感想をそのまま言うと、少女は笑顔になった。
「…えへへぇ、毎日研いでるんですよぉ。
大切な私の包丁なんですよねぇ。」
「大切にしてるんですね。
…もしかしてその包丁、鮪包丁ですか?
その包丁って、大きいから二人で扱うんじゃありませんでしたか?」
「一人でもがんばれば扱えますよぉ。
でも、いつもはクレーバーを使ってるんですよねぇ。
そっちのほうが丈夫ですしぃ。」
「あぁ、クレーバーは丈夫ですよね。
なんてったって、関節を叩き切っても大丈夫なように作られてますし。」
「…あのぉ、そこの喫茶店にでも行ってお話しませんかぁ?」
「はい、喜んで!」
長い1日
(未だにたどりつけない叔父さんの家!)
あとがき
後半狂雨のとこと一緒というね…
許してくれ狂雨……俺はもう力尽きた…