リレー小説 | ナノ

包丁片手に、折原さんと屋上を走る。
夜風が肌にあたって心地よい。
さぁ、愛でましょう?一方的に愛を押し付け合いましょう?
そう笑えば、折原さんは後ろに一歩下がった。
そのまま折原さんは走って逃げてしまう。あ。

「うふ、ふ、そっちに行って飛び降りてくれるんですかぁ?
飛び降りは死体がぁ、汚いですよぉ?」

「あはは、余計なご配慮どうもありがとう。そんなこと気にするんだったら、君が包丁しまうか死ねばいいんだと思うんだけど」

「折原さん、刺殺は嫌いなんですねぇ。無視しますけどぉ」

「……最悪」

顔をしかめて吐き捨てる折原さんを、一歩、また一歩追い詰める。
逃さない。絶対に、今度こそは。

「―してるから、―してあげる」

誰かが言っていた言葉が唐突に頭によぎって、頭を抑える。
これは、思い出しちゃいけないこと。
今は折原さんに集中しないと。
端の方まで追い詰めた折原さんに、ゆっくりと寄って行く。
包丁をもって、振りかざして―

私は、浮遊感に包まれた。

え、あ、あ、私、折原さんに、手首つかまれて、振り払われたの、か。
折原さん、端っこにいたもの。私、折原さんより力弱いから、振り払われて、そのまま位置が入れ替わって、ああ。
私、落ちてるのか。
折原さんの驚いた顔と伸ばされそうになった手を見ながら、落ちる。
激痛が私を襲った。
…死んじゃう、のかな。

まだ死にたくないと、思った夜

(だってまだ私、折原さんを愛しきれてないよ)



あとがき
どや!(゚∀゚ ) …ごめんなさい、嘘です。
珍しく早くかけたよー!