少女は眠らない


恋する乙女とはどのような気持ちなのだろうか。

くらりとするような光芒。
一度目にしたら、忘れることなんてできないあの色彩。

気づけば、脳裏に浮かぶのはあの空ばかりだった。


「手、届かないのは分かってるんだけど」


それでも手を伸ばさずにはいられなかった。
背伸びして、あの星目掛けて。

恋とはどのようなものかは分からない。
でもこの感情が恋だとするならば。


「眠るのが、勿体ない、かな」


少女は眠らない。
あの星を掴むまで。

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