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それは行き急いでいる人の特徴



※ネタは花さんより
※ちなみに初エース君\(^O^)/


「お父さんに心配かけちゃだめだよエース」

ある晴れた日に、そいつはさも当たり前のようにそんな言葉を呟いた

「…?心配なんかかけてねぇよ?」

「そう言うと思ったよ」

ナマエはふっ、と笑った
こいつは親父の古い知り合いの娘らしく、この白ひげ海賊団によく遊びに来る物好きなやつだ
今日もたまたま町でナマエと会ったから俺が船に連れて来た

「なんだよ突然…」

突然の忠告じみた言葉に驚きを隠せない
まぁ家族であるこの船の奴らには何回も言われてきたが、こいつにはそんなこと言われた事がなかった

「いや、まぁ、私が言う事でもないか」

「そんな事は、ねぇけど…今までそう言う事言わなかったじゃねぇかよ」

「うん、そう、だけど…さ…」

「なんだよその曖昧な返事…」

いつもと少しだけ様子が違うナマエになんか変なもん食ったんじゃねぇかと心配になる

「ナマエどうした?なんか変なもんでも食ったか?」

「いや、生憎そんな物は食べちゃあいないよ」

「そうか…」

それっきりナマエは何も喋らなくなった
いつもならもう少し口数が多いのに今日はなんか変だ

「…なぁ、エース」

「んー?」

それから数十分くらいか、ぽつりとナマエは俺の名前を呼んだ

「エースは、お父さんが好きか?」

「…当たり前だろ」

「お父さんを海賊王にするんだよな?」

「おう!その為ならなんだってするさ!」

俺が白ひげ海賊団に入った時から決めていた事
親父を、海賊王にする事
ナマエには前にも話をしたと思ったんだけどな

「そうか…エース、エースは皆に認めてもらいたいって思った事はあるのか?」

「え…あ、あぁ…昔はそんなことも思ってた、」

どうしてこんなことばっかり聞いてくるのか?
そろそろその意図を教えて欲しい

「エース、人生って、短いと思うか?」

まるで最後の質問だ、と言わんばかりにナマエはそれまで伏せていた顔を上げ俺の目をじっと見て来た

「海賊に、なろうと思った時からこの命は長いと思ったことはねぇ」

何故だかこの時は、ちゃんと答えなければと思った
それくらいナマエの顔と目は真剣だった
俺がそう答え時、ナマエは少し泣きそうな顔をして言ったんだ、

「そうか、エース……頼むから、行き急がないでくれよ…」

今までの質問の意味が良く分からなかったが、この言葉を聞いた時、分かった気がした

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