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「え」


ここどこ?
火影像から飛び降りた私はそのまま透けて消えたはずなのに、気が付いたらどこかの家の中に居た
え、これ普通現実という名の三次元に戻るんじゃないの…?

「何事…」

さっぱり分からん
神様は何を考えているんだ
とっとと現実に戻せよこの野郎
トリップした意味ないしさーもうとか特典なんて意味ないよ全部終わった後なんて聞いてないし

「帰りたい」

切実ですハイ\(^p^)/

「っ…!」

そんな事を考えていたら突然頭痛が襲った
頭の中を過るのは、こっちの世界で暮らしていた私の記憶だった

「な…にこれっ…!」

ぐらぐらと揺れる頭の中
立っていられないほどの衝撃に私はその場に座り込んだ
ふと、目の前にある鏡が目に入る
鏡を見た瞬間、私の意識はブラックアウトしていた


『二班、かぁ…』

『お前どうして俺を避けるんだよめんどくせー』

『…時が来たら、教えるよ』

『さようなら、先生、皆…』

『どうして僕が転生忍術なんて高度な術を使えるんだ…?』

『特に強いわけでもないのに上忍かぁ…』

『男として生きてきた私と、別の世界で私として生きてきた僕と』

『僕は(私は)私だ(僕だ)』


「っ…!!」

目が、覚めた

「はっ、はっ、はぁっ」

僕が私で私が僕で

「…そうか…そういうことだったのか…」

再び鏡を覗き込んでみる
映るのは、この世界で生きてきた僕
左右の胸に手を当てると2つ分の音がする心臓
片方は誰にも聞こえないし見えていない
私の、心臓だ

「嗚呼神様、僕が(私が)何をしたというのでしょう」

一目会えただけでもいいと、なんとか諦めが付いた所なのに貴方はまだ何かをしようと、させようと言うのですか?
それはあんまりではないのでしょうか?
もしかして特典というのは必ずしもいい事ばかりではないと、そう仰りたいのですか?

「特典という名の、罰なのですか…」

二度目の絶望からは、立ち上がれそうになかった




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