事件、所謂G件です☆「きゃーーーー!?」
じ、事件が起きました。
全速力で駆け出して、骸の部屋に辿り着くまで約三秒。過去最高記録。
「む、骸!」
バンッと扉を叩きつけて中に押し入る。
優雅にソファに腰掛けていた骸はビックリしたように私を見る。
「何ですか、慌ただしい」
「ででででた、出たの!」
「出た…って何がです」
「あれよ、あれ!」
「敵ですか?」
「ちがあああう!黒光りしてコソコソ動くあいつ!」
「Gよ!」
****
「…どこにも居ないじゃないですか」
「そんな筈ない!探せ、この世の全てをそこに置いてきた!」
「どこぞの海賊ですか」
ぺらぺらと喋りながら殺気全開で捜索を進めていく。
この集中力があれば私絶対テスト100点取れるよってくらい、今の私は珍しく真剣。
絶対殺る!………骸がね!
ベッドの下だとか、棚の隙間をおそるおそる覗き込むも、見当たらない。
お、おかしい。
「ゴキブ…「具体的に言わないでおぞましいっ!」…、Gなんてやっぱりどこにも居ませんよ」
「そんなぁ」
「もう僕は帰りますからね?やることもありますし」
「…どうせ一人で畳の目を数えるだけなのに」
「今なんか言いました?やりませんよ?やりませんよ?」
「仕方ないなー…分かったよ…」
「ちょっと、聞いてます?」
シュン、と落ち込んで不意に俯くとそこには、
「きゃーーーーー!?」
Gがいた。
「むむむ骸ぉぉぉお!」
ガシッと骸の背に飛び付き、Gから回避。
やばいやばいめちゃくちゃ黒い!それで凄い気持ち悪い!ヘルペス!
「おや、こんなところに」
「気持ち悪いよ!はやく退治しちゃって!」
骸の背中に顔を埋めながら、退治を待つ。
ほんともう、末恐ろしい!
「……はい、もう大丈夫ですよ」
「あ、ありがとう…」
「クフフ、ゴキブ…「言うなっ!」
…、Gが苦手だなんて可愛いところあるじゃないですか」
「うう、バレた…不覚」
骸に引っ付いていた体を離そうとして、「あの」と声が掛けられた。
「ん?」
「ちょっとこのままでいてください」
「え、何で?」
「さっきから胸が当たって、気持ち良いんです」
「!」
すぐさま離れて骸から距離をとる。
超笑顔で言った、この人。
クフフ、とにやにやと嫌な笑みを浮かべる南国果実の頭の構造が気になる。
きっと懐かしの脳内メーカーにかけたら、野望や金なんかより、エロだらけになってるよ、断言する。
「クフフ触っていいんですよね、」
にやにやと笑うから、私も悩殺スマイルを浮かべて首を傾げる。
「Gを退治してくれたのはありがとう」
「いえいえ」
「でも、」
世の中には順序というものがあってね?
まず最初はね?そういうのじゃないって分かるよね?
だから、まぁ。
殴らせろ!
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変態紳士でボケもツッコミもいける変態な(←重要)オカンなんだと思います。
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