ずっと君だけを


ずっと君だけを思ってた
でも…あたしじゃダメなのかな…


こんにちは、白石七海です。
あたしには今、好きな人がいます。
その人は…

「キャー!!!山本君〜!!!」

今日もファンクラブの声援の中、部活に励む山本君。
みんなには秘密だけど、あたしの彼氏、でもある。
そんなあたしは教室から彼を見ている。

『あたしじゃダメなのかな…』

つい本音がこぼれた。
ダメもとで告白して、Okをもらったのはうれしかった。
でも、みんなには秘密にしてるし、クラスも違うから、学校にいても会えないことが多い。
それになんとなく山本君があたしを避けてる気がする。

『はぁ…。』

そしてあたしは山本君に話しかけるほどの勇気はない。
こうやって遠くから見守ることしかできない。

『…早く帰ろ…』

くつをはきかえ、ふとグラウンドの方を見た。

『山本君…?』

そこには女の子と楽しそうに話す山本君がいた。
ズキッと胸が痛んだ。なんだろう。息苦しい。
確かあの女の子は…水無月さん…。
学年、いや学校で一番の美少女だって言われてる。
その時山本君と目が合った。

「あ…。」

あたしはクルリと山本君に背を向けると走り出した。
後ろで山本君があたしを呼んだ気がしたけど、そんなことは気にせず、走った。

『ハァ…ハァ…』

走って、走って、走って たどり着いたのは人気のない公園。
ここならいいかな…

『……っ』

あたしはその場にうずくまり、声もなく泣いた。
きっとあたしじゃダメなんだ…。
ずっと君だけを思ってたけど…ダメなんだね…。

『あたしだけが好きで…ばかみたい…』
「それは違うのな」
『え…?』

振り向くと山本君がいた。

『山本君…』
「白石って足速いのな」

追いかけんの大変だったんだぜ?と笑っている。
そしてあたしを優しく抱きしめた。

『っ!!?』
「ごめんな…不安にさせて」

山本君が優しく頭をなでる。

「初めてなんだ…人を好きになったりするの…
だからどう話したり接したりすればいいか分かんなくて…、水無月ともなんにもないから…」

ごめん…と繰り返す彼は今にも泣きそうだった。

『あたしんもごめんなさい…。ずっと怖かったの…。
いつか山本君が他の女の子をすきになっちゃう気がして…』

すると山本君は一瞬びっくりしたようだったけど、すぐに笑って

「知ってっか? 俺、白石に一目惚れだったんだぜ?」
『えっ…? 本当…?』
「本当なのな♪」

山本君はハハッと笑った。

「だから告白された時はすっげーうれしかったのな♪
だって俺はずっと…」

七海だけが好きだったんだから…
耳元でささやかれ、あたしの目から涙がこぼれた。
あたしも好き、大好きだよ。ずっと、ずっと君だけを。



オマケ

『今…名前で…////』
「ん? 七海? 顔赤いぜ?」
『ゆ、夕日のせだもん!!!』




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なんかもうぐだぐだですみません

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