深く、深く


ねぇ、キスしよう?
その一言がことのきっかけだった。

茹で蛸のように真っ赤になって焦る様子が可愛くていとおしい。
にこりと笑い掛けると更に赤く染まるツナ。
ああ、どうしてこんなに可愛いんだろう。

目を瞑って待っていれば、暫くして観念したのか顎を自信無さげにそっと持ち上げられた。
私が急に言い出しても結局はしてくれる、その優しさが大好きだ。

ふわり、触れるだけのキス。
ただ一瞬触れて、離される。柔らかくて気持ちのいいその唇。

ドキドキと胸が高鳴る。
キスをする毎に、どんどん好きの気持ちが大きくなっていく…。
ツナもそうだといいなぁ、なんてね。
顔を真っ赤に染めるツナを見て、胸に温かいものを感じた。

ツナは顎を支えたまま、躊躇したように固まる。何かを考えながら目を泳がせていた。
何だろう、と不思議に思い「ツナ?」と呼び掛けてみると、途端、再び唇を塞がれた。



いきなりのことに吃驚して思わず息を止める。
唇の間に舌が入ってきて、肩を震わす。

これってディープキスってやつだよね? 初めての感覚で変な感じ。
優しく舌を絡められ、甘ったるいその感覚に酔いしれていく。

声が漏れて、少し照れる。
気持ちいー…
ツナってキスが意外と巧いんだ、と発見。
私もそれについていきたくて、空いていた両手でぎこちなくツナの首に腕をまわしてみる。
ツナは驚いて目を見開き、応えるようにして角度を変えながら舌を深く絡める。

唇を離すと、どちらのか分からなくなった唾液が互いの唇に糸を垂らす。
たくさん酸素を吸って呼吸を整えて、涙で滲んだ目尻を拭く。
ツナも同じように息が荒かった。

色っぽくて、艶やかな姿。
思わず、どきりとする。凄く綺麗…
その姿をよく目に焼き付けた。

あー…好きだなぁ。
ぎゅうっと抱きつけば、慌てたようにぎこちなく固まる。

そして、優しく抱き締められた。


好き、好きだよ。
大好き。ツナ。


「私と結婚してください」




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完全なる俺得(^q^) 私が書くと別人になる。
そしてキスばかりになるという。


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