可愛い君


小さい頃からずっと一緒だった。
泣き虫で、なにをやってもダメで…
でも、優しくって可愛い君。


「ダメツナ」

それが中学に入り、彼につけられたあだ名だった。
沢田綱吉。運動もダメ、勉強もダメ。
幼馴染みの私にとってはすごく可愛い弟みたいだった。

『ツナ〜♪』
「おわっ!!!」

私は後ろからツナに抱きつく。

「おい、七海!!」
「てめぇ、十代目に何してやがる!!」
「ハハッ♪ 相変わらず仲いいのな♪」

顔を真っ赤にするツナに、私をツナから離そうとする獄寺。
そんな私達を楽しそうに見つめる山本。

そんな時、いつも決まってやってくる人。

「君達、校門で何やってるの…? 群れてるなら咬み殺す…」
『あっ雲雀さん!!』
「ひ、雲雀さん!!」
「よっす、ヒバリ!!」
「七海…そんな草食動物と群れるなら僕のところにおいでよ…」

こんなやりとりを毎日してた。
でも…その日は違った。

『え〜っとここです!』
「おっそうか。ありがとな」

七海は金髪の男性をツナの家まで案内していた。

『(ツナの知り合いって言ってたけど…外人さんかな…?)』

ピンポーン
男性がインターホンを鳴らす。

「は〜い」

あ、ツナの声だ!

ガチャ

「あっ七海! どうしたの?」
『この人案内してきたの!!』
「よっ! ツナ!」
「ディ、ディーノさん!?」

ツナは驚いたように声を上げる。

「ど、どうしてディーノさんが?」
「可愛い弟分の顔が見たくてよ。ロマーリオ達も一緒に来たんだけど、どっか行っちまってよ。
そしたらこけるは道に迷うはでさんざんでよ。そしたら七海が案内してくれたってわけだ」

ディーノさんは私の頭をなでる。
頬が熱くなる。こんなカッコイイ人に頭なでられたら誰でも赤くなるって!!

「そうですか…」

ツナの声が暗くなった。

『ツナ? どーしたの?』

とツナの頭をなでてみる。

「なっ!! いつまでも子供扱いするなよ!!」

怒ったようなツナの声。

「あんまりベタベタするなっていつも言ってるだろ…」

冷たい目。なんだろう…怖い…。
私の視界が歪む。

『…ごめん…』
「え…あ、七海…?」
『ごめんなさい!!』
「あっ七海!!」

私はツナの家を飛び出した。


ツナ視点

ディーノさんになでられて赤くなってる七海。

「(イライラする…)」

そしたらいつのまにか七海を怒鳴ってた。
すると七海の目から涙がこぼれてた。

『…ごめん…』

と彼女は言った。
小さい頃からいつも一緒にいるけど、彼女が泣いてるのを見るのは数少ない。
いつも俺が泣いてることが多かったから…。

「どーしよ…てかなんで泣いてんだよ!! あぁ〜…」
「オイ、落ち着けよ…ツナ」

もとはと言えばディーノさんのせいでしょうが!!
と心の中でディーノさんにつっこみながらもディーノさんを見る。

「えっ…俺のせいか?」

気づいてないよ、この人!!
まぁディーノさんみたいな人に頭をなでられたら、女の子なら赤くなると思うけど…

「って、そうじゃなくて!!」
「さっきのツナ めっちゃ怖かったもんなぁ…俺にすごい殺気放ったろ」
「え…?」

そう無意識に俺はディーノさんに殺気を放っていた。

「特に今までツナに優しいとか可愛いってイメージしか持ってなかった七海にはかなり怖かったんじゃないか?」

え…七海って俺にそんなイメージ持ってたの!?

「そこじゃないだろ…」

ディーノさんがため息をつく。

「とりあえず…追いかけないのか?」

そうだ…追いかけなきゃ!!

「すみません、ディーノさん…俺ちょっと行ってきます」
「おう。ちゃんと気持ち伝えてこい!」

ディーノさんは笑顔で言った。
俺の気持ち伝えなきゃ…。


「七海!!」
『ツナ…?』

七海は公園のブランコに座っていた。

「どこに行ったのかと思って心配したんだぞ!!」
『心配…してくれたの…?』
「当たり前だろ!! だって俺は…」

俺は…

「七海が好きだから…」
『え…? い、今なんて…?』
「だから俺は…」

なんだかもう一度言うのも恥ずかしくなり、七海を抱きしめ、額にキスをした。

『なっ!!!/////』

顔を真っ赤にした七海は可愛かった。

『い、今、ななななにして…////』

いつも七海にからかわれてばかりだからか、ちょっと意地悪してみたくなった。

「キスだけど…?」

俺がそう言うと耳まで真っ赤になった。

「二度と可愛いなんて言わせない」

そして俺は彼女の唇に自分のそれを押し付けた。


いつもと可愛い可愛い君。


〜オマケ〜

『(ツナがカッコイイ…)』
「何、俺のことを見つめてるの? そんなに好き?」
『バ、バカツナ!!////』

END

可愛いツナ君がちょっと黒に目覚めました!!
黒ツナ好きなんです!! ギャップにきゅんってくるんです!!
グダグダですいません!! ここまで読んでくださった方!!
ありがとうございます!! リクエスト、感想など気軽にどうぞ!!



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