過去形の「好き」「好き」と最初に伝えたのは私だった。
彼の気持ちは知っていた。
クラスでも有名だったから。
恋人という関係になるとだんだん話さなくなった。
彼は私を避けるようになった。
どうして…?私じゃダメなの…?
そんな想いがつのった。
手を繋いだのだって、友達に無理矢理やらされて。
「好き」って言ったのも友達に言われて。
キスなんて…夢のまた夢。
『正ちゃん…。はぁ…』
正ちゃんこと入江正一。
ため息ばかりついている彼が気になって声をかけたのがきっかけだった。
(ため息ばかりついてると幸せ逃げるよ?)
そう笑いながら声をかけた私がなんでため息ついてるんだろう…
「あのさ…」
声をかけられ、振り返ると正ちゃんがいた。
彼から声をかけるなんて珍しい。
「君はさ…どうして僕を好きになったの?」
まただ…
悲しさを押し殺し、笑顔をつくる。
『私は正ちゃんの優しいところが好きだよ』
「そ、そっか…」
それだけいうとじゃあ、またと言って去っていく。
彼はけっして私の名前を呼んでくれない。
名字でさえ呼んでくれないから悲しい…。
他の女の子は仲が良ければ呼び捨てなのに…。
私達の間には見えない壁がある気がした。
同じ空間にいるのに遠い。近くにいるのに遠い。
『私だけ…』
声にしたらつらかった。
何度も何度も泣いた。
でも、彼の前では笑顔をつくり続けた。
辛い、悲しい、寂しい…そんな気持ちを押し殺して…
ねえ、正ちゃん…
私はこんな気持ちを押し殺して笑っていられるほど、強くないんだよ?
すごく弱くて、脆いんだ…
『正ちゃん…』
だからね…
『大好きだった…別れよう…』
もう一緒にいられないから…
『ばいばい…』
彼におくった過去形の「好き」 私の一方的な意見で私達の関係は終わった。
今でもメールしたり、話したりする。
好きだなって思える人もできた。
でも、なんでだろう…
時々、彼を探してる。
「大好きだった」なんて嘘。
私はまだ貴方を忘れられない…。
〜あとがき〜一度書いてみたかった切ないもの
切なくなってるかな…?
正ちゃん恋愛下手そうだなぁ…
こんな駄作読んでくださりありがとうございました!!
また感想、リクエストなどよろしくお願いします!!
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