恋愛注意報


最初はよく分かんなかったんですー。
バカでドジで可愛くない先輩なんてー。

…でもいつのまにかミーは先輩のこと…。

「センパーイ。バカでドジでどうしようもない七海センパーイ」

『ちょっ、フラン!! そうやって呼ぶのやめてよ!!』

「でも、本当のことでしょー? ミー素直なんでー」

『うっ…でもそんな風に呼ばなくても〜…』

1ウルウルと目に涙をためる七海センパイ。
こうやっていじめるといつも泣きそうになる。
ひかえめでおとなしい性格のセンパイはヴァリアーの雲の幹部。
任務の時は人が変わったみたいにテキパキしてるのに、それ以外の時は、バカでドジでどうしようもないんですよー。
そんなとこが可愛いじゃないってオカマセンパイが言ってましたけどー。

『で? どうしたの?』

「あーそうでしたー。昨日の報告書はまだかってボスが言ってましたよー。」

『ああ、あれね。りょーかい、ありがと』

と言ってセンパイはにっこり笑った。
ドクン… ミーの心臓は大きく跳ねた。
最近ミーおかしいんですよー。
七海センパイの笑った顔見ると胸が苦しくなって、ベルセンパイと話してる七海センパイを見るとイライラしてくるんです。
どうしちゃったんでしょー。

『フラン…?』

名前を呼ばれて顔を上げると七海センパイの顔がドアップ。

「な、なにすんですかー////」

動揺していることを悟られないように少し低い声を出す。

『なんかボーッとしてたから…大丈夫?』

「別になんともないですよー。ていうか七海センパイが近くにいるとバカとかドジがうつるんで近寄らないでくださいー」
『ごめん…』
「本当空気読めませんよねー。いっつもメソメソしてますしー。それに地味ですよねー。存在感がないっていうか……
…え…?』

七海センパイを見ると涙がポロポロと流れていた。

「センパイ…?」

ミーは驚いた。
だってセンパイは目に涙をためることはあったけど、泣いたことはなかったから…。

『ごめんなさい…!!』

センパイはそう言うと部屋を出て行った。
ミーは一人でポカーンとしていた。七海センパイはミーがなにを言っても泣かなかったし、怒ったりもしなかった。

「…っ」

泣いていた七海センパイを思い出すと胸が痛んだ。
チクリと針で刺したような痛み。モヤモヤする。

「なんなんですかー…」

「シシシッ♪ 七海泣かせたー」

後ろを振り返るとベルセンパイがいた。

「シシ♪ 好きなクセに可愛くないこと言うからだぜ?」
「好き…?」
「あんれ? 気づいてねーの?」
「どういう意味ですかー?」

「お前、七海のこと好きだろ」

シシシッとベルセンパイは笑う。
好き? ミーが七海センパイを?
そんなわけないと思いながらも、心のどこかでパズルのピースがはまった気がした。
そうだとしたら、この不思議なモヤモヤの理由も分かる気がした。

「七海、お前のこと気にしてたぜ?」
「えっ…?」
「お前に悪口を言われるたびに「私のことそんなに嫌いなのかな」とかってずっとお前のこと言ってんだかんな」

相手してる王子の身にもなれっつーのとベルセンパイは言った。
ミーはそんなことは気にせずに部屋を飛び出した。

「センパーイ? どこですかー?」

ミーは中庭を探し回った。
センパイはよく中庭の木の上でよくボーッとしているから。

『フラン…?』

センパイは木の下でうずくまっていた。
その顔は涙でぐちゃぐちゃだった。

「センパイ!!」

ミーはセンパイにかけよった。

『どーして…?』

センパイは不思議そうだった。
ミーは自分の隊服のそでをのばし、センパイの頬を擦った。

「泣いた顔なんて…可愛くないです、からー」

『えっ…?』

「センパイは笑ってた方が可愛いですー/// それに…
さっきのはミーが悪いですからー」

顔が熱い。きっと赤くなっているだろうと思い、目をそらした。
でも、センパイからの反応がないので、センパイの顔を見てみると…

『……っ/////』

ミーよりも真っ赤になっている七海センパイがいた。
なんだろう…すっごく…可愛いですー。
思わず、抱きしめてしまった。

『っ!? ちょっと、フラン!? なにして…「ちょっと黙ってくださーい」…///』

センパイは顔を真っ赤にしながらおとなしくしていた。

『「あのっ」』

2人の声が重なった。
ミーは驚いて、センパイを見た。
センパイも驚いたような顔をしていた。

「…お先にどうぞー」
『あ…いや、フランから言いなよ』
「え…じゃあ遠慮なく…」

ミーは小さく深呼吸すると七海センパイをさっきより強く抱きしめた。

「好きですー」
『え…?』
「ミー、今までセンパイいじめてましたけどー…ほら、好きな子ほどいじめたくなるって言うじゃないですかー」
『フラン…?』

「とにかくミーは七海センパイが好きなんですー」

ぎゅっと抱きしめるとセンパイはミーの背中に腕を回しながらつぶやいた。

『…私の方が大好きだもん…////』

それをきいたミーはさっきよりも強くセンパイを抱きしめた。

「本当ですかー?///」

『うん…///』

「取り消しとかなしですよー?」

『うん…///』

「…キスしてもいいですかー?」

『…うん…///』

「愛してますー…七海…///」

『私もだよ、フラン///』

そしてミーは七海にそっとキスをした。


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