不器用ボーイの愛し方


ずっと一緒にいたのにな
お前といるとお前じゃなくなるみたいだ

「七海…」

『ん? 何ー?』

「…なんでもない…」

『そっか…さっきからそればっかりじゃん』

なんて言えばいいか分かんねぇんだよ!!
Gは今、幼なじみの七海と部屋で書類をしていた。
プリーモが気をきかせてか俺と七海の二人きり。

もう分かった奴もいると思うが俺は七海に惚れている。
七海に告白しようと思いつつも、性格上そんなに簡単にはいかないわけで…。悩んでいる。


「(よし、今度こそ…)七海…」

『ん? なぁに?』

「その…」

首を傾げやがって…可愛すぎんだろ…。
ってそうじゃなくて…。

「えっと…そのだな…」

俺が口ごもっていると七海はフッと微笑んだ。

「な…何笑ってんだよ…」

『肩の力を抜いて…? せっかくカッコイイのにそんな怖い顔しないの』

「え…?」

『Gが何を言おうとしてるか分かんないけど、言おう、言おうって焦ってもなにも言えないよ? 言葉ってのはけっこう自然に出てくるもんなんだから』

だから無理しないの、と言って七海は俺の頭を撫でた。
やっぱり好きだなと思った。その優しさも笑顔もすべて愛しい…。

『じゃあ私、ボス達に書類届けてくる』

七海が部屋を出ようとした時

「七海…」

自然に引きとめていた。

『なぁに?』

振り返った七海の耳元でささやいた。


「Ti amo」

すると七海は驚いた顔をしたが

「私もよ」

と とびっきりの笑顔で微笑んだ。
そして俺は自分の唇を七海のそれに重ねた。


これが不器用な俺のやり方。






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