お姫様との出会い

「ふわぁ〜…」

オレは大きなあくびをしながら、学校に向かう。
最近はマフィアとかなんとかで大変だからあまり眠れていない。
その時…

ドン!!

「あっ…」
『きゃ…!!』

誰かとぶつかり転んでしまった。
朝からカッコ悪いな…オレ。

『ごめんなさい…。大丈夫ですか?』

スッと差し出された手。
顔を上げると一人の女の子。
黒髪のセミロングに髪と同じ色の大きな瞳。
美人さんだなぁ…。

『あの…?』

彼女の声でハッと我に返る。

「あっ…すいません… ボーっとしてて…」
『いいえ、平気です。私こそすいません。ぶつかってしまって… ケガとか大丈夫ですか?』
「あっ はい。大丈夫です」

軽く笑ってみせると彼女も笑顔になる。

『そうですか… よかった。では…』

そう言うと小走りにどこかへ行ってしまった。
すごい美人さんだったなぁ…

「おはようございます!! 十代目!!」
「よっ、ツナ!!」
「あ、獄寺君、山本!! おはよう」
「今の女、誰ですか??」

あ、見られてたんだ…。

「うん、ちょっとぶつかっちゃってさ…」
「えっ!? 大丈夫ですか!? おケガはないんですか!?」

獄寺君…大袈裟だよ…

「うん 大丈夫だよ」
「そうっスか、よかったです!!」
「ハハッ♪ 獄寺って大袈裟なのなー♪」
「なっ! うっせー野球バカ!!」
「ま、まあまあ 二人とも…」

なんて会話しながらオレ達は登校した。



朝のホームルーム。

「とても急な話だが転校生を紹介する」

先生の言葉にクラス中がざわつく。
教室に入ってきた子を見て、オレは声を上げた。

「あっ…朝の…」

そう あの美人さんだった。

『初めまして。水無月姫菜と言います。イタリアから来ました。これからよろしくお願いします!!』

と彼女はニッコリ笑った。

「(か…可愛い…////)」

クラスの男子、女子までもがそう思うほどのきれいな笑顔。
でも、オレにはその笑顔が曇ってみえた。
理由は分からない…。でもなにかを隠しているような…。

「水無月はイタリアで育ったが両親はどちらも日本人だそうだ。仲良くしてあげるように。
では授業をはじめる。水無月は…」

その時 先生と目が合った。

「沢田の隣がいいな」

いいなあ…などと声を上げる男子。
すると彼女はオレに気づいたようで…

『朝の…。あの時はすいませんでした!!』

と頭を下げた。
クラスがもっとざわついたが 静かに という先生の声で授業に戻った。
オレの隣に座った水無月さんはオレを見るとニッコリ笑ってメモを渡す。

“教科書まだもらってなくて…見せてもらっていい?”

きれいな字でそう書いてあった。
オレは いいよとメモに書き机の真ん中に教科書を置く。
またメモを渡される。

“ありがとう。 朝は本当にごめんなさい。沢田君って呼んでいい?”

オレはメモに返事を書いて、渡す。

“私のことは姫菜でいいよ。じゃあツナって呼ぶね。”

俺も返事を書く。

“じゃあ姫菜ちゃんで。”

メモを渡すと楽しそうに返事を書く。

“うん! じゃあこれからよろしくね!!”

メモを読んでいると…

「じゃあこの問題を…沢田」

やばい、当てられた。

「はっはい!! え〜っと…」

するととなりで姫菜ちゃんが指で4を作っている。

「えっと… 4です…」
「よし、正解。座ってよし…」
「はっはい」

姫菜ちゃんを見ると優しく微笑んでいた。

「(姫菜ちゃん… 頭いいんだ…)」

オレはその時、知らなかった。
彼女がマフィアでオレ達と一緒に戦うことになるなんて…。



END

〜あとがき〜
はじまりました、長編!! 書いちゃいました、長編!!
文才ないのにごめんなさい…!!
由詩様と一緒に頑張っていきます!!
どうぞ よろしくお願いします。
オチはまだ未定です!!

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