貴女が眠りにつくまで。痛い。苦しい。
その世界はその感情だけだった。
助けて。誰か助けて。
誰か…助けて…。
「七海…?」
声が聞こえる。とても優しい声。
ねぇ、お願い。助けて。
ここから…この世界から…。
あたしを連れ出して…。
「七海!!? 七海!!!」
誰かに体を揺すられ、ハッと目が覚める。
だんだんはっきりしてくる視界に愛しい人の心配そうな顔が映る。
『骸…様…??』
「七海、大丈夫ですか? 随分うなされていたようですが…?」
骸様の瞳が心配そうに揺れる。
あぁ、なんて優しい人なんだろう…。
こんなあたしのことを心配してくれるなんて。
『平気…です…』
「平気なわけないでしょう? こんなに涙を流して…」
『え…?あれ…?』
あたしの頬は涙で濡れていた。
骸様はあたしの頬に手を添え、親指で優しく涙を拭ってくれた。
「また…あの夢ですか…?」
ビクッと肩が揺れる。
そう、あの恐ろしい私達の過去…。
怖くて、痛くて、苦しくて…。
思い出すだけで震えが止まらない。
『あたし、怖いんです…』
「…」
骸様は無言であたしの頭を撫でる。
その優しい温もりに涙腺が緩んでくる。
涙をグッと堪えようとするあたしを見据えたように骸様はあたしをそっと抱き締める。
「…何を恐れているのです?」
『え…?』
諭すように骸様が口を開く。
あたしは意味がわからなくて骸様を見上げる。
骸様は妖艶な笑みを浮かべ、あたしの瞼にキスをした。
「クフフ…泣くことを我慢しなくてもいいんですよ?」
瞼が熱い。
骸様がキスをしたから?
それとも泣きそうだから?
ううん、きっとどっちもだ。
『骸様…』
「貴女は僕の大切な人です。貴女のことは僕が守ります。たとえ夢の中だろうと、僕が輪廻の果てにいようと、ね。」
クフフ、と楽しそうに笑うとあたしの唇にキスを落とす。
「さぁ、貴女が怖い夢を見ないように僕が添い寝してあげましょう」
僕がずっと傍にいますから。 END
------------------------------〜あとがき〜
お久しぶりでこざいます。
覚えててくださいましたでしょうかてか忘れないでください(←おい!!!)
やっとアップできた愛です。
やっとかと思う方もいらっしゃいますでしょうがそこは何も言わないでください(T_T)
はい!!その話は置いといて(←え)
今回は骸様夢です!!!
一応ヒロインちゃんとは恋人ですが、なんとなくシリアスになりました。
ヒロインちゃんは骸様達と一緒にエストラーネオファミリー(骸様が壊滅させたファミリー)からの仲間設定です。
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