深海を歩く心の中に住み着いている、何か。
どんどん貪欲になって、私の中を占領する何かが大きくなっていく。
ズッシリと重い、何かがゆっくりと私の身体を巡り、骨の髄まで侵食していく。
この重みはどこへ行くのだろう。
私はどんどん重みで沈んでいく。
沈んで、沈んで、沈んだら後は海底で、私はもがき酸素を求め苦しみながら海底を歩くのだろうか。
「…ねぇ、ディーノ」
「何だ?」
「いや、やっぱ何でもない」
「ならいいけどよ。ん、悪い。電話だ。
…ああロマーリオか。何?ツナが?分かった。今行く」
「お仕事ね?」
「ああ。いつも悪いな。行ってくる」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
「ああ、サンキュな。
…あ、ツナか?お前今………」
色褪せて見えるその景色には、私ひとりしか居なくて。
海底がどんどん深くなっていくようで。
浮くことも出来ず、息絶えることも出来ず、ただ私は喘ぎ歩き続けるのだ。
誰も居ない、たったひとりのこの海底を。
せめて、私のことを見てほしい。
引っ張り上げてくれなくていいから。
ちらりとでもその存在に気付いて、その一瞬だけの共通した時間を私にください。
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よく分かんないですけどうp
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