非彦星的思考「織姫と彦星って、一年も会えなくて寂しくないのかな」
「さぁ、」
僕の隣に座る僕の彼女がまたおかしなことを言い始めた。
あまりにも突飛な発言に、声が裏返ってしまう。
…ねぇ七海。今は十二月だよ。
「だって七夕にしか会えないんでしょ? しかも晴れた日にしか」
「そうだけど…急にどうしたの?」
「何となく思っただけ!」
七海はさっぱりと答え、カラカラと笑う。
はは、彼女らしいや。そんな所が好きな所でもあるんだけど。
爛々と大きな瞳を輝かせて、僕を見上げた。
「私だったら耐えられないなぁ。正ちゃんに一年も会えないなんて」
「七海…」
「正ちゃんは私に会えなかったら寂しい?」
「そりゃ寂しいよ…。もう七海でいっぱいになっちゃったんだ。だから、」
見失いなんかしやしない。
もし七海と会えなくなったとしても、僕が必ず見つけ出してやる。
寂しいなんて、感じる前に。
「正ちゃん…」
キスをしようと顔を近付けてから気が付いた。
眼鏡が邪魔だな…。雑にぐいっと上へ押し上げる。
艶の良い綺麗な唇に、自分のそれを触れさせた。
「眼鏡無い正ちゃん久々に見た」
「そうだっけ?」
唇を離すと同時にそう言って笑う七海。
薄く笑って眼鏡をまた元に戻す。
「どんな格好をしていても正ちゃんはカッコいいんだけどね。
たまにはそんな姿もいいな」
「…七海っ」
ぎゅうっと抱き締めて、力強く小柄な七海を閉じ込める。ああ、全く我ながらべた惚れだ。
非彦星的思考あとがき
七夕ネタで切甘にしようかと思ってたんですが何故こうなった…(´・ω・`)
殴り書きとはまさにこのこと
口調が迷子になってます。
prev|next