いつもと違う君今、私追われてます。
え?誰にだって?
その人は私の幼なじみであり、並盛中風紀委員長。
雲雀恭弥です!!!
「今日こそ逃がさないよ」
『に、逃がしてくださいぃぃ!!』
「やだ」
やだってあんたは子供か!!!とツッコミをいれながら全速力で走る。
ああ、恭弥のおかげで足速くなった気がする…。
「スキあり」
恭弥がトンファーを振り上げる。
咄嗟に上がる私の右足。
カンッという音と共に宙を舞うトンファー。
「ワォ。流石だね、七海」
またやってしまった…。
今になってトンファーを蹴りあげた自分の足を呪う。
しかし時既に遅し。
「でも…そうでなくっちゃ面白くないよね」
楽しませてよと妖しく笑う恭弥。
『い、いやぁぁぁ!!!』
これが私の日常。
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恭弥とは幼なじみ。
と言ってもつい最近はあまり接することもなくなり、顔を合わせることも少なくなっていた。
私の家は空手の道場だったため、護身術として小さい頃から空手を習っていた。
そんなある日…
「おっ、君可愛いね!!」
「ねぇねぇ、俺らと遊ばない??」
はぁと心の中でため息をつく。
見るからに不良っぽい男が2人。
とりあえず抵抗してみせる。
『すみません。私急いでいるので…』
「そんなこと言わずにさぁ〜」
ちょっと強引に腕を掴まれる。
私はその腕を捻り上げる。
「いだだだっ!!!」
『離して頂けますか?』
なるべく笑顔で言う。
だが、それが彼らの怒りに火を着けたようだ。
「この女ぁ!!!」
『ハァ!!』
右足を高くあげると、相手の顎にクリーンヒット。
「ぐはぁ!!」
「こ、この野郎!!」
私は倒れてない方の男を指さす。
『争うのは好まないんです。相手をして欲しいならしてさしあげますが?』
「け、けっこうですぅ!!!」
倒れた方の男を背負い逃げて行った。
「ワォ。君一人でやったの?」
後ろから声がした。
この声…。
「君、七海かい…?」
『恭弥…』
恭弥はしばらく驚いた顔をしていたがすぐに妖しい笑みを浮かべた。
『な、何?どうしたの?』
「一度でいいから女の子と本気で戦ってみたかったんだ」
『はい?』
「相手しなよ、七海」
その一言から始まった恐怖の鬼ごっこ。
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『はぁ…はぁ…』
なんとか恭弥を撒いて屋上に腰を下ろす。
勝手に強いと思われ相手をしろとはなんて強引な奴だよと心の中で悪態をつく。
『好きなのに…戦えるわけないじゃない…』
ポツリと口にした言葉。
強引でわがままだけど、ちょっとした優しさや自分にだけ見せてくれる表情にずっと前から惹かれていたのかも知れない。
接することが減っても、彼の姿を探していたり目で追っている自分がいた。
『でも恭弥にとって私はただの遊び相手なんだろうな…』
「…馬鹿じゃないの」
『馬鹿ってなによ…って恭弥!!?』
いつの間にか恭弥が後ろに立っていた。
慌てて逃げようとするが恭弥の腕が私をしっかり捕まえていた。
「捕まえた」
耳元で低く囁かれるとビクッと反応してしまう。
私、顔赤いだろうな…。
『き、恭弥?どうしたの?』
「君って馬鹿だね」
『は?』
「僕が好きでもない女の子をこうやって構うとでも思うのかい?」
その言葉でハッとした。
ただでさえ、人と群れることを嫌う恭弥がなにか特別な理由がないのに人と、ましてや女の子に構うなんてことがあるだろうか。
答えはもちろんノーだ。
でもそうすると恭弥が私に特別な感情を持っているということになる。
いや、自惚れるな七海。
ただちょっと強いから興味があるだけに決まってる。
「…やっぱり君に遠回しに言うのはだめみたいだね」
恭弥はそう言うと私を正面から抱き締めた。
『あの…恭弥?///』
「君が強いのなんて昔から知ってる」
『えっ…?』
「君が強いからこうやって構うって思ってると思うけど、それはただの口実」
そこで恭弥は言葉を切ると一度しか言わないからねと言うと耳元で囁いた。
「僕は、七海が好きだよ」
いつもと違う優しい声。
いつもと違う優しい笑顔。
いつもと違う君だけど
そんな君もまた愛おしい 君と目が合ったら私も貴方に想いを伝えよう。
〜あとがき〜雲雀さんのハピバ夢です♪
誕生日なのに誕生日ネタじゃないという…ほんとすいません(:_;)
ただ一度やってみたかったんだ!!!
ヒロインちゃんと雲雀さんを戦わせるパターン!!!
ヒロインちゃんは平和主義ですけどね♪
ここまで読んでくださりありがとうございましたm(__)m
雲雀さんBuon Compleanno!!!
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