あなたのせせら笑う
その”行為が”
わたしは
大人になった
25歳の天使現象
フーやったー
わたしは、ユニクロの、ストレッチすっごい、黒の、パンツを脱ぎ捨てて、Kカップの、ブラを、投げ捨て、元気に元気に、セックスをする。
男の上に、またがる。笑う。走る、速度で。汗が、にじむ。
セックスがおかしいという感覚が完全に消えた。
爆笑みたいな日々が起こる。
ドドドドドド キー
墓地裏に立っているこのマンションは、奇しくも駅が目の前で、静まるのは真夜中の四時間だけだった。
わたしは、みんなが、遊びに来たあと、次から来てくれなくなってしまうのは、このせいだと思いたいから、ずっとここから、引っ越せずにいる。
全部好きなものを身につけられるようになった。会社では事務員で、誰よりも若いので、お姉さまやお兄さまに可愛がられていた。
わたしは毎日帰り道、そこらへんで立ち食いしたり、小学生と遊んだり、にゃんにゃんを撫でたりしていた。
にゃんー。
「俺、わかりますよ、笑 自分が三十歳になっても独身で、親戚中から腫れ物扱いされるのが」
わたしはそう言っていたあなたに恋をして、家に招いて、セックスをしてみたりしたのだけれど、やっぱりダメだったなと思った。
美味しいところだけ享受され、あなたはどこかへ行ってしまった。
半額になってるちらし寿司をありがたいなと思ってつかんだら
あっ これって自分じゃん
って思う
楽だから、安いから、手軽だから
だから買われる
ほんとはありがたいなんて思ってなくて
ラッキーって思う
理由があるから
楽だから、安いから、手軽だから
の裏に
理由があるから
わたしじゃん
「にゃんー」
セックスが終わって、裸になってる中、わたしは急に、自分が猫になったような甘え方をした。
「どうちたのー」
歌舞伎町のメンコンで働いてそうな、化粧をしている、アイラインがすごい男が、わたしの頬をもちもちする。
許される。
全部。
ずっと続くと思っていた、バカな自分を。
わたしはある日、取り憑かれたようにお弁当を作った。
もちもちの白米、大好きなレシピで作った唐揚げ、たこさんウィンナー、茹でたブロッコリー、水を弾くプチトマト。
お母さんから教えてもらった、紅生姜が入った卵焼き。これがまるでたこ焼きのようで美味しい。
わたしはそれを丁寧にしまって、バッグにそれだけ入れると、
亡霊のようにガタンゴトン、電車に揺られる。
この街から出ていく。
名前もろくに知らない、ただ河川敷へ来たくて。
わたしは原っぱにすとんと座ると、お弁当を取り出して、静かに食べる。
冷え切っている。
お母さんのことを思い出す。
これは、わたしのための、わたししか知らない行為だと理解る。
とめどなく涙が溢れてくる。
わたしは、誰かのために何もできない。
何もできないんじゃない、したくないんじゃないの?
あっ
ちょっと震えてる...
「ちょーだい
」
「あーっ、ダメだよ! これはアタシのなんだから」
「だってぼく、きみの作った卵焼きが好きなんだもん」
「えー、じゃあいいよ」
「キャハハ」
「キャハハ」
わたしは脳内でそんな会話を、イマジネーション恋人と繰り広げていた。
わたしは会社の人事の男の人が好きなんだけれど、出社するとその人はわたしの恋人だと思い込みながら接しているし、今脳内で会話している彼はわたしのタルパであり恋人である。
はっきり言って病気だ!
感覚が5個になる
笑顔で全部受け入れる
残念
好きな人がいたんだけど結局おまんこしたいだけだと知ったときの感じ
何回も何回も何回も何回も恋をして
同じことを繰り返したけれど
同じようで同じではないと思ったし
同じなのはわたしだけだった
嫌われないか ビクビクしている 俯いている わたしだけが 変わらなかった
思い切って男殴ったことあるよ
ほんとだよ
小学生のとき、手の指鳴らすのクセだったんだけど、あの何倍もおっきい音がした。
油絵の具よりも
ずっとサラサラしてて
綺麗な血が出てて
わたしはかんどーして
慌てて、カラコン入れてる容器に、パンパンに入れて持ち帰った。
それで、絵を描いた。真夜中に。
すごいいい絵ができて、うれしーと思って、初めて人間を殴ったこともあって、急にへにゃりとなって眠ってしまったんだけれど
起きたら、血の色が変色して、違う絵になっていた。
だから、もう男を殴るのはやめようって決めた。
いつの間にかあたりは夜になっていて
わたしは夏風に吹かれながら
お母さんが作ってくれたのと同じ味の 紅生姜卵焼きを手に持って
涙で濡れた頬が カラカラになって
目の前に りゅうせいぐんが
(妄想で)
あなたの鼻をゆっくり押して
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傷つけたことも 傷つけられたことも 全部忘れたい
いい 忘れなくていい
肉体が
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