やっと見つけたんや。初めて出逢った時からどっか運命なんやないんかって思っとった。
会う度に君の新たな一面を見てどんどん惹かれとる俺がいる。
育ちも性格も趣味も違う俺たちがこうして二人、手を取り合って過ごしてきた。
ぎゅって奥村くんの右手を握って呟く。

「他の誰かじゃ有り得へん…」
「…志摩?」

「奥村くんだから俺は恋が出来た思っとるんよ」
「なっ何言ってんだよアホ志摩…」

照れてるん?ホンマかあいらしいなぁ奥村くんは。
だから、俺は君に恋をした。かあいらしすぎて俺往生しますわ…。



俺の手をずっと握ってる志摩。俺は志摩が好きだ。
会ったばっかん時はまさかこんな奴好きになるなんて思ってもいなかった。
女好きだし、チャラいし、ヘタレだし、カッコ悪いし…。
でも、気付けば四六時中志摩の事ばっか考えてて、ニヤついちゃってて、俺の頭ん中が志摩だらけなんて知ったら、きっとあいつうざい程喜ぶだろうから絶対教えてやんねぇけど。

「志摩」
「おん?」

「好き」
「俺かて好きやで」

静かな部屋にぼそぼそと紡ぎだされる愛の言葉。
ホント恥ずかしい程お前でいっぱいなんだよ。



奥村くんと付き合い初めてから大分時が経つ。
ケンカも沢山したし、ぶつかり合う事ばっかだったけどなんだかんだで、それが俺らなんよなって思う。
寂しがり屋で我が儘な君を、不安にさせる事も、淋しい想いをさせた事も、泣かせた事もあったな。

「奥村くん、堪忍な」
「どうしたんだよ急に?」

「おん…今まで沢山奥村くんに淋しい想いさせた思って…ホンマ堪忍え」
「ばぁか。それ、お互い様だろ?確かにあん時はすげぇ不安だったけど、だけど今は、」

「絶対に幸せにするから」
「お前のその言葉信じてるから」

おん。だからこれからはその分君を笑顔しするから、幸せにするから。ずっと俺の…。



志摩の言葉で今までの事を思い出す。辛くて悲しい想い出も今じゃ笑い話だし。今はすっげえ幸せなんだぜ、俺。今の何でもないこの時間さえ幸せに感じる。

「あんな、奥村くんの笑った顔も、泣いた顔も、怒った顔もみんなみんな俺の宝物やねんで。だから、」
「だから?」

「ずっと俺の傍におって下さい。」

ばか。ホントアホ志摩。そんなんいるに決まってんだろ。
ホント好きになったのがお前でよかった。
答える変わりに珍しく俺からキスを送った。






とある曲を聴いて、
凄い志摩燐っぽいなって思ったのでw