SQ4月号ネタ
2013/03/09 21:11



※SQネタというか、メフィストさんの語りを勇にやらせただけ。













…さて、

これはあくまで、科学者である俺の持論ですが、人間という生き物は、"三つの欲"に生かされています


一つは"物欲"

小さい頃から親に『あれ買って』『それ買って』とせがんだ事があるでしょう?
そうでなくても人はある程度の衣食住が整ってなければあえなく命を落としてしまいます


二つ目は"性欲"

そんなに恥ずかしがることもありませんよ、なんせ人はそういった行為で子孫を繁栄していかなければなりませんからね


しかし、この二つよりも最も重要な"欲"が存在するのですが、

皆さんは検討つきますか?


…"名声欲"!?

それは言えなくもありませんが、違います
私は生前名声や肩書きが好きではありませんでしたしね


…"愛"!?

また非科学的思考ですね!
まぁ、嫌いではありませんが…



正解は"知識欲"!!
それが人間が最も欲する欲望なのです

え?『僕は私はそんなに頭が良くなくても構わない』?
ハハハッ!面白いことを言いますね

誰しも自分が一番賢く、自分だけが手に入れた知識の優越感に浸りたいというのが人間の本質でしょう?


読んでいる小説の結末を


愛しい恋人の全てを


賭け事をする相手の幾手先を


この先の自分の未来さえも


『この先にある答えを知りたい』!!
その根元的欲求を柱に、愚かなまでに人は生涯その大量の知識を浅ましくも貪って生き続けるのです

かくいう私も、その一人でした

だって、誰しも疑問に持つ筈でしょう?
この宇宙(せかい)の真実を!!

しかしそもそも物質界と虚無界は、何故このように在ってしまったのか?

人間とは、悪魔とはいったいなんだったのでしょう?



…一人の悪魔は俺にこう言いました
『お前はまるで知識欲の塊のようだ』と

俺はその言葉に、否定も肯定もしませんでした

知識を付けるということは、科学者として、誇らしいことですからね


だが、俺は知りすぎた

付けた知識を、忘れろなどというのは無理な話だ

知識を付ければ、それだけ危険が付いてくる


ある時、俺は悪魔との賭けに負けました

『これ以上深く関わるな』
それが悪魔の最後の忠告だったのです

悪魔にとって、俺は目障りな存在であったに違いない



俺はある時知ってしまったのです


悪魔の偉大な思惑を



後悔?そんな感情は持ち合わせていません

ただ、1つ心残りがあるとすれば、
友人と、その悪魔の愚かな恋物語を、この眼で見届けられなかったことでしょうね


おや、長話が過ぎました

皆さんの中で俺という存在がまたややこしくなってしまったでしょうか?


1つ、訂正させてください

先ほど『あくまで科学者としての持論』などと申しましたが、実はこの話は受け売りなのです

誰の?なんて野暮なことは訊かないでください

知識欲を求める皆さんには、次期にわかることです


これだけは言わせてください

知識欲に飢えていた俺にも、この先の結末などわかりません

俺にも『この先に知りたい答え』がありました

それは何かって?

それを訊くのもまた野暮なこと

何故なら、俺の回答はあの悪魔のいう"答え"ときっと、同じである筈ですから

どうか、人の生きるその原動力を忘れずに



俺は、語り部でも、傍観者でもありません

人間の顛末などたかが知れている

所詮は一昔前の死人の戯言です

運命を変える力など、私は持ち合わせていませんので


それでは、また会える、その時まで








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