体の熱が引いていく。薄く笑うと、涙が出た。体が動かない。地面に重く張り付いたようだ。赤い果実がひしめき合って、話し込んでいる。もう時間はない。声は出るのだろうか。
「大丈夫だよ」
手を伸ばそうとした。握り返してくれる手もないのに、誰かに触れたかった。
闇に飲み込まれたのはそのすぐ後だ。



『無理をするのは得意』
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