監督&真澄/家族になろう
空港のどこかで




「……真澄くん、そろそろみんなのところに戻ろうか」
「やだ。あんたとずっとこうしてる」
「うんと、そう言ってもう10分くらい経ってるんだけど…トイレ長過ぎだって、誰かが心配して来ちゃうから」
「知らない。この手離したくない。ここにいて」
「…困ったな…うーん…」
「監督、好き」
「うん、ありがとう」
「大好き。愛してる。世界で一番あんたが好き」
「わかった、わかったから!」
「…本当に好き。明日からもあんたといられる。良かった。……本当は、どうしようって思ってた。怖かった。離れるなんて考えられないって思ってた。…あいつらとも、一緒にいられなくなるんだって思ったら、俺」
「…うん」
「…こ、怖かったよ」
「うん」
「………お、俺…怖かったよ…」
「…うん。私も怖かったよ。…真澄くん、真澄くんだけじゃないよ。みんな真澄くんがいなくなったらどうしようって思ったんだよ。だからみんなで来たんだもん」
「…ひっ…ぅ、うん…」
「明日からも一緒にいられるね。嬉しい。もう、この手を絶対離さないからね」
「………うん…っ…」
「みんなで繋いだ手だよ。私だけじゃない。真澄くんの手を、みんな絶対、誰も離さない」
「…うっ、うん……」
「真澄くん。家族になろうね」
「…」
「みんなで家族になろうね。おんなじ屋根の下で、たくさん思い出作っていこう。ね、真澄くん。約束だよ」
「うん…っ…あ、ありがとう…」
「うん。…ふふ。はい、ハンカチあるよ」
「…いい匂い。あんたの匂いする。…好き」
「よしっ、戻ろう!」
「待って、そこの本屋でゼクシィ買ってく」
「なんで!?要らないよ!?」
「たまごクラブもついでに買ってった方がいい。時間の問題だから」
「真澄くん聞いて!要らないよ!!」




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たった今、五幕11話まで読みました。
「真澄くん、家族になろう。」で撃ち抜かれてしまった。




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