砂漠のような筆先から干からびた絵の具が落下する
誰かの優しさを際限なく吸い取って、偉大な絵画を完成させるのだ
額縁の中、決められた四角の中で、きみは理解しがたい踊りを踊る
人っ子一人いない
きみを見やる誰かなど いやしない

美しさを求めては、自分の中でだけそれを咲かせようとする
きみの筆先は死んでいる
きみの筆先はずっと、ずっと、死んでいる

絵の具はひび割れて、きみは感慨もなく新しい筆をまた取り出した

2019/02/11 02:47













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