-まだまだ終わらない断ち切り隊-


夕方の日が沈もうとする中その四人はやってきた。

「いらっしゃいませ。御注文はお決まりでしょうか」

「ドリンクバー四つで」


やたらかっこいいということを除けば普通の男子中学生が放課後に友達と話すためファミレスに寄ったのかと誰もが思うだろう。
だが四人はじつは世間を騒がせた断ち切り隊という歌手グループの四人なのだ。

彼らは今日も秘密会議を開いていた。

「自分、一発屋でいいかなって思ってたんやけどなんかここまで来るともう一回くらい出してもええんやないかと思ってるんや」

「次は何時でるのかとも言われちゃってるしね」

「んーあと一曲だけだして解散か」

「宍戸はどう思う?」

「俺はどっちでもいいぜ」

一曲だけという宣言をしなかったのであと一曲だけだして断ち切り隊を解散するということは決まったようだ。

「となるとどんな曲だすかやな…」

「白石なんかいい案あると?」

「んー…一曲めが自分と宍戸の口癖やったから今度は千歳と不二の口癖をと思うたんやけどな」

「僕はそんなに口癖はないなあ」

「同じく」

「そうなんよねー」

「テニスの技の名前はどうなんだ?」

「ツバメ返しとか無我の境地か。そげなことしたら絶対バレるち」

「うーん…」

考えてる中宍戸が、そういえばとなにやら顔をすこし赤らめながら発言しだした。

「前作がよ、絶頂(エクスタシー)って入ってただろ…あれ従兄弟にどういう意味だって聞かれてよ、激気まずかったんだよ」

「どうしてや?」

「その…うまく説明できねえっていうか…」

「説明もなにも絶頂ってことはイ…「小学生に言えるか!!だから今度は健全なのにしようぜ」

「そう言われちゃうとそうだよね」

「学校では流しちゃいけん曲にあがってたばいね」

「よし、じゃあ健全な曲にしよう!」

そして出来上がったのがアオゾラStageだ。

「いやあ、爽やかやね!」

「爽やかで激気持ち良かったぜ!」

「うん、爽やかで終われてよかったね」

「よかよか…ただやっぱ俺は恋激のが好きだったばいね」

「それ言ったら終わりやろ。みんな多分そっちのが好きやで」

「男子の願いだったからね」

「まあまあ、終わり良ければすべて良しだな」

「「おつかれー!」」


こうして2曲目はさわやかな曲になったのである。




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