好きって言わせて




「あのさ、俺サスケの事好きみたい」


任務の後、今日は時間があるから修行を見てあげると言って、2人きりになった。初めは、ちゃんと真面目に修行してたんだけどね。ちょうど組み手をしていた時・・・サスケの顔が近くなって・・・
(整った顔してるなぁ・・・あ、まつ毛長い。キス、したいかも)
って思うのと同時に、キスしてた。しまった。何してんだ、俺。なんだこの手の早さ。・・・そこじゃないだろ。相手はサスケだぞ。男だ、男。・・・って
「ぶっ」
殴られた。しかもグーで。油断してたとは言え、さすがサスケ。って、だから違う。・・・怒ってるよな、やっぱ。そりゃ、真面目に修行中、まして男にいきなりキスされたらなぁ。・・・幻術かけられたらどうしよう。それとも火遁かな。
「いてて・・・サス」
「なっ、何しやがる!このウスラトンカチ!!」
・・・顔、真っ赤じゃん。うわ、かわいい。・・・・・・かわいい?なんだこの感情。さっきから・・・。サスケの事が気になる→キスしたいと思った(しかもした)→かわいいと思う→・・・もしかして。

「あのさ、俺サスケの事好きみたい」
「はぁ?!ふざけんな。急に何言って」
「急じゃないよ。ずっと思ってたんだ、きっと。だからこんなに気になってたんだなぁ・・・自分に納得だよ」
目の前には、相変わらず真っ赤な顔のサスケ。きっと今俺の言った事を頭の中で反芻してるんだ。ほら、かわいい。
「あーあ・・・好きって口にだしたら、一気に増殖した気がする」
末期で自覚・・・自覚したら末期・・・ってどうなのよ。しかも、初めて自分から思いを告げた気がする。さらっと言っちゃったけど。告白ってこういうもんなのかな。今まで告白された時って、どうだったっけ?
「おい・・・?」
自分の世界に入り込んで動かなくなっていた俺をいぶかしみながら、サスケが呼んだ。あぁ、そうだ。大事なことを伝え忘れてたよ。

「俺とお付き合いしない?」
「断る」

え、即答なの・・・先生ちょっと悲しい。初めて告白したのに。けど、めげないよ。まだこの場にいてくれてるって事は、可能性があるって事だよね。
「大事にするよ」
「結構だ」
「高給取りよ」
「自慢かよ」
手ごわいな・・・
「じゃあ・・・とりあえず、今日の夕飯一緒に食べない?なんでも好きなもの奢るよ」
「・・・・・・」
「ダメ?」
「・・・・・・夕飯だけ、なら」
そっぽを向いたまま、ボソっと承諾の返事が聞こえた。やった!これって一歩前進?何がいいかな。酒酒亭でもいいかな。あそこメニュー豊富だし。
「じゃ、いこっか」
「何しやがる!」
手をつなごうとしたら振り払われた上、見事に急所を狙ったクナイが飛んできた。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。まぁ、そこがかわいいんだけど。・・・俺、こんなキャラだったっけ。ま、いっか。
「好きだよ、サスケ」
耳元で囁いたら・・・これまた見事な豪火球がきた。ちょっと、先生燃やす気?土流壁でよけたからいいものを・・・
「黙れ、このウスラトンカチ!!」

一遍燃えとけ!って言われたけど・・・俺人間だからね・・・一遍、とかないでしょうよ。でも、俺がかわすって信じてるから本気でしてくるんだよね。
そんな、すぐに手や足や火がでる君が好き。

「・・・ったく、早くしろよ。なんでも奢ってくれるんだろ」
ぶっきらぼうに言いながらも結局約束は守ってくれるし、待っててくれるんだよね。




(そんな君が、好き)










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