ある晴れた日……
何て言えたらいいけれど、ここには人工太陽であるプラズマスパークがあるだけだからなんと表現したらいいか未だによく分かってない今日この頃。
朝から特に仕事も無かったので、私は彼がいるであろういつもの場所にひとっ飛びした。でも彼の姿はどこにも見えない。可笑しい、と思う前にはたと気づく。 そう言えば、今日からだったけ地球への派遣は。
『……はぁ、』
「どうした、ため息なんてついて。」
突然背後に現れたその人にほんの少しだけビクッと肩が揺れる。やばい、彼のことに気をとられすぎて気づくのがいつもより遅れた。これが戦場なら死んでたかもしれない。
『驚かさないで下さいよ、タロウ兄さん。』
くるりと振り返ってみれば、兄さんは肩をすくめて苦笑いを溢した。
「よく言うよ、全然驚いているように見えなかったんだが。」
それは誉め言葉として受け取っときますよ、タロウ兄さん。まあ、普段から無愛想とかそっけないとか冷淡とか言われてるからそういう意味なんだろうけどさ。
「ところで、ここで何をしてたんだ?」
『あー……、別に。』
濁した返事をすれば、首を傾げたがすぐに何かに気づいたのかぽんと手を打って面白そうに笑った。
「くくく……、メビウスか。」
……やっぱり分かるよな。 だって彼の教官だし、タロウ兄さんと同じように私が彼を気に入ってたことも知ってるし。それにここは私が彼に鍛練をつけていた場所だし。
「本当、メビウスのこと好きだな。」
『……問題でも?』
じとっとした目でタロウ兄さんを見れば、怒るな怒るなと肩を叩かれた。なんなんだこの扱いは。
確かに、タロウ兄さんの言う通りメビウスのことは好きだ。あんなに素直で優しくて真面目な子は稀だ。けれど強くなりたいと言う意志は誰にも負けないぐらい大きくて。 無愛想な私に対しても、先輩っ先輩っと追いかけてくるし甘えてくるし何故か尊敬してくれてるし。年の離れた弟と言うか小動物っていうかとにかく天然ですごく可愛いげのある後輩なんだ。まあ直接の後輩じゃないけど。とにかく凄い将来が有望な子なんだ。 そして私の日々の癒しになりつつある。
「お前、癒しって……。」
何。ハードな仕事ばかりの毎日なのだから癒しぐらい求めたっていいでしょう。と言うより、
『人の頭の中に入ってこないで頂けます?』
「いやいや、途中から口に出てたぞ。」
その言葉に私はチッと舌打ちをした。 なんて失態。しかもタロウ兄さんの前で言ってしまったとか。終わった。これ言いふらされるかもしれない。なら、
『タロウ兄さん、この話は内密にお願いしますね。』
ジャキン、と構えたソードにタロウ兄さんは乾いた笑みを溢した。 目的の為なら多少の強引さは必要でしょ。特に兄さん達には。なんたって精鋭ですから、我等宇宙警備隊の。
「………本当、相変わらずだ。」
ぼそっと呟かれた言葉はあえて聞こえないフリをした。だから、それは誉め言葉として私は受け取りますから。
それにしても、彼にしばらく会えないのは正直に寂しいな。自分でも珍しいと思うが、私は彼に随分と絆されていたらしい。 メビウスが地球から帰って来たとき、彼はどれほど成長しているんだろうか。うん、楽しみを糧に帰りを待つか。
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突発的に書きたくなった。 ウルトラマン本間にかっこよすぎて鼻血でます。死にそうです。
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