イラート海停
初夜(←違う)


「、しょっと」
「ありがとう、アルヴィン。ごめんね」
「役得だよ。役得」

そういいながら手を振るアルヴィンにもう一度礼をして、この状況に至った原因に視線を送る

「熟睡してるね」
「これ、明日朝起きるかねぇ。」

アルヴィンがミラの頬をつついてみたり、鼻を摘まんでみたりしてるけど、少し不快な顔をするだけで起きる気配はない。
確かにアルヴィンの言う通り明日の出発は遅くなりそうな気がしてきた。
そうしている間もミラにちょっかいを出してるアルヴィンに釘をさすと、漸く解放されたミラは幸せそうな笑顔をふにゃりと浮かべた。

「おーおー幸せそうに眠りやがって!」
「相当眠かったのかもね、ここまで色々あったし。」
「そーだな、さて俺たち寝るとしますか」

アルヴィンが立ち上がり扉を開ける。僕はミラに布団を被せて、アルヴィンの後を追おうとして何かに腕をとられた。

「ちょっ!?わっ!」
「何やってんの優等生」

咄嗟の事でバランスを崩し、ミラに倒れかかりそうになるのを必死に回避した。そのあと原因に目を向けると僕の腕をがっちり掴んで眠るミラが見えた。

「………」
「うわーがっちり捕まえてるやがるな。引き剥がしたら起こしちまうな。いや、そんな目で見られても俺何も出来ないから」
「ちょっ!アルヴィン!!」
「運よく解放されたら戻ってこいよー。まぁ無理だろうから諦めて一緒に寝ちまぇ」
「出来ないよ!!」

アルヴィンはそういって扉の向こうから顔だけだして手を振る。
心底楽しそうな笑顔で「じゃあ、頑張れ」と言って扉は閉められた。
途端に静かになる部屋では、ミラの寝息しか聞こえない。時たま身動ぐ度に僕の肩が揺れる。
無理だ、寝られるわけない。無理、絶対無理。
腕をすっぽり掴まれているからミラの顔が近い。綺麗なその寝顔がまたふにゃりと笑顔になると、僕の顔が熱くなるのを感じた。

それから半の鐘ぐらいまで悩んだ結果、明日寝不足でミラに迷惑をかけるわけにはいかないと、自分に言い聞かせひたすらミラに謝りながら布団に潜った、までは良かったがミラの寝息が気になって眠れない。目を瞑ってしまえば、色々あって疲れきった体は自然と眠りにつくと思っていたが、緊張のせいかいつまでたっても眠れない。

「……ぅ、ん」

そんな時、不意にだ。ミラが一瞬腕の拘束を解いた、と思った次の瞬間見たのはミラの首飾りで、体を動かそうにもミラに完全に拘束されていて動かない。

(ちょっ!?僕、ミラに抱き枕にされてる!?)

さらにミラに強く抱きしめられると、ミラの首筋に顔を埋められる。混乱して固まっているとミラからふわりと甘い香りがした。するとあれほど冴えていた視界がどんどん重くなり気付くまもなく、僕は眠りについていた。






抱き枕の受難









(あれ、ジュード君は?)
(あぁ、随分幸せそうに眠っていたからな。起こさぬようそのままにしてきた)
(うわぁお。ジュード君やるなぁ)
(何がだ?)
(いや何も。)










――――――――
ミラと初めての夜\(^q^)/←
サブイベでミラがいい香りがするってのがあったのでいつ嗅いだんだろうねっ!!って妄想の産物です
このあと起きてきたジュード君はミラの顔を見て真っ赤になってアルヴィンにからかわれればいいよ!
続きます←



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