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フラーテル広報日記7
"RE"birth"!覚醒の2012"
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2011年10月25日(火)04:23

部活とスポーツと教育と。

日本のスポーツは育成や強化の殆どを「学校」と「部活」が担っていて、そのプロセスは全て「教育」という位置付けだ。

ある程度のレベルまでスポーツをしている人の進路はプロ、実業団、社会人、及びそのスタッフ(監督、コーチ)という直接的な進路を除くと


教員


という進路のウェイトが驚くほど高い。
ここに日本スポーツ界の特徴的サイクルが成立していて、選手は学校で生まれ学校で育てられ学校に戻るのだった。


娯楽でもエンターテイメントでも稼ぐ手段や趣味でもなく、スポーツは教育なんだ。少なくとも日本においては。

だから学校に部活があるかどうかがスポーツの競技選択の前提条件になり
学校がその部活を設置するかどうかは設備と指導者の有無に依存する。

プールを持たない学校に水泳部は生まれないし、グランドがない学校に陸上部は作れないのだ。


そもそも、最近はグランドを整備して野球部や陸上部を作っても部活をやる生徒が少なすぎて部活自体が成立しないとか、公式戦に出られるだけの人数が揃わないとかそんな話ばかり。


教育の一貫だから、教育というフィルターを通らないものは排除されるシステム。

個人の行動が連帯責任であがなわれるというのもその顕著な例だと思う。

幽霊部員だろうと何だろうと、部員が何か事件を起こせば部全体が連帯責任を追い、「教育が行き届いていなかった」ことを学校が詫び、指導者が辞職する。


例えば「強盗をしてはいけない」(書いていて笑っちゃうけどさ)ということを教えたり指導するのは部活なのだろうか。

またそれが起きた場合、責任は同じ部の部員や指導者にあるのだろうか。


ラフプレーが酷すぎて対戦チームに怪我をさせまくっているとか、公式戦に毎回遅刻してきて大会運営に多大なる迷惑をかけているとか
或いは遠征や合宿中に宿舎内で未成年飲酒や喫煙があったとか、または騒ぎすきて近隣住民に迷惑をかけたとか
この辺りなら明らかに部としての問題であり、指導者は何をしていたんだ!と非難されて当然だろう。


部活というのは部員の私生活行動全てに責任を取らなければならないほどの役割を背負っているのだろうか?うん、背負っているようだ、間違いない。

それが成人であり、部員や部活自体とは全く関係ないところで行われたことだとしても、責任は学校や指導者、チームメイトにあるのだろうか。



毎年のようにどこかの学校が出場を辞退している高校野球、甲子園に出られるチャンスを逃したためにドラフトに引っ掛からなくてプロ入りのチャンスすら失ってしまうとか、自らの人生や夢を犠牲にしてまで取らねばならない責任がたかだか20才やそこらの社会のなんたるかもワケわかってない学生にあるのだろうか。

しかも事件を起こした本人でも何でもないのに。(苦笑)


仲良し友達が集まってやっているわけでもなし。
結果としてチームメイトになっただけであり、たったそれだけの理由で互いが互いを監視牽制しあい、「何かあれば連帯責任」の恐怖ゆえに、出来ることなら「無かったこと」にしたくなる心情はよく分かる。


社員が不祥事を起こせば社長が謝罪し、職員が不祥事を起こせば市長が謝罪し、学生が不祥事を起こせば学長が謝罪し、40才を越えたいい大人であろうと何か犯罪を犯せば親が非難されて親はテレビカメラの前で土下座している。



日本は島国で、歴史的にも「どこへも行けない、ここで生きるしかない」というどうしようもない環境的事実があり、互いに助け合い許しあい、譲り合って共存していくという性質が脈々と根付いているようです。
まさにDNAに深く刻みこまれた、逃れられない根本的性質といいましょうか。


連帯責任ツアーは抑制しあうというメリットがある一方で、隠蔽に走りやすいというデメリットがある。


これに「スポーツは教育である」という位置付けがプラスされると、教育機関としての学校の責任や、教育者としてのスポーツ指導者の責任が追及され、同時にチームとしての不出来を問われてチームメイトも運命を共にするという図式になるのだろう。


そしてこの連帯責任は根深くて、同じ学校、学部、競技、地域、卒業生OB、出身校、所属組織などが目に見えないところで連帯責任ツアーに強制参加することになる。


その先はいつもの通り「再発防止」が叫ばれて、さまざまな対策が講じられるという流れだろう。


がしかし、不祥事がなくなることはない。


なぜなら学校や指導者、組織が問題なのではなく、殆どの場合において問題は「その人本人の、個人」に帰属するからだ。


そこにこの「連帯責任ツアー」の悲劇があると思う。

そして最初に戻り、
「武装強盗や恐喝をしてはいけません」と教えなかった学校や指導者、牽制できなかったチームメイトに「責任」という世間様の鉄槌が下される図式に矛盾を感じながらも受け入れざるを得ない現実があります。


よく知られているところでは、世界チャンピオンを輩出した歴史あるボクシング部が廃部になったり、部員200名を越える強豪野球部が同好会に格下げになって河原で草野球同然にしか練習できなくなったりしている。


予定されていた学校推薦が全部白紙になったり、卒業生というだけで就職にもマイナスになったり、悲劇の連鎖は続き連帯責任ツアーの参加者は増え続け無限ループは止まらない。


それでも不祥事は無くならず、たち消えた頃に新しい「事件」が起きて、それまでの苦労をなし崩しにしていく。


「ホッケーはマイナーなくせにこういうところだけはメジャー並みだね!」と今日知り合いの記者に言われて返す言葉もありませんでした。

そう、私もすでに紛れもなくこの連帯責任ツアーの参加者の一人なのでした。




(時事話題)
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