06

ボンゴレ城を潰しにかかる勢いでヴァリアーが爆撃を続ける
こんなことをするのはボンゴレファミリー10代目である沢田綱吉が姿を現さないのが悪い。
といういい訳も出来るから遠慮などしなくていい
でもそんな中、よく分からない潰れかかった城に1人放り込まれた少年が居た
新しくヴァリアー幹部として迎い入れられた彼は10代目に紹介するためにこの城に訪れたのだが。

「ここどこですかー・・・・」

迷ってしまいました。
あんな人でも聞いとけばよかったですー
まぁ、迷ったなんてミーは微塵も思ってませんがね。
散歩、そうそう散歩ですよ!
隣に居た中華風な女の子に道を聞けばよかったんですよ・・・

「ベルセンパイもアホのロン毛隊長も、みんなみんなどこですかー」

ハァ、とため息をついてみる
よく分からないうちに緑色の綺麗な草原に迷い込んでいて道はのぼり斜面になっている。
俯いていた顔を上げ空を見上げてみる。
ふと視線を前に戻すと、黒い塊が。

は?

上り坂なので何が居るのかは今は見えない。
向こうも坂を登っているのか徐々に姿を現してきた。
変に好奇心がくすぐられ少し足を早く進めその黒い塊が何なのかを確かめようとする
歩いていくうちにはソレは髪の毛、つまりは人の頭だと言うことが分かった
そしてフランの視界に現れたのは真っ黒な髪につりあがった目。
それは話に聞いたボンゴレ雲の守護者、雲雀恭弥だった。

「何、君」
「え?ミーはフランって言いますーではコレで失礼しますー」

話に聞いていたとおりの人間なら、雲雀恭弥はヤバイ。
そう改めてフランは肌で感じ取った

「待ちなよ」

ゴクリ。

唾を飲み込み振り返る

「その服。ヴァリアーとかいうやつらの1人だね
 君は群れていないみたいだけど?」

蒸れる?・・・・・・群れる?
あぁ、センパイたちと居ないからか。
噂通りでやはり集団行動がキライらしい
それで敵意むき出しまではいかなかったわけですかねー?
そうフランは思ったけど実はそれだけではなかった

「そのカエルは何なわけ?」
「コレはセンパイに無理矢理かぶらされてて・・・・・・って」

視線がかみ合ってない。
雲雀の視線は常にカエルの目を見ていた。

「なかなか面白いね」
「いや、あんたのほうが面白いと思いますけどー」
「ふぅん、いきなり僕にそんなこと言う人は久しぶりだな」

ヤバー、怒らせちゃったんじゃ・・・
タラリと冷や汗が背中に流れる
雲雀が一歩踏み出したのに対して無意識のうちにフランは一歩下がる
一向に縮まらない距離。
何か仕掛けてくるかもしれないという思いが頭にあるから
そんなフランの様子に飽きたのかフッと息を吐くと背を向けて歩き出す雲雀

「またどこか出会えるといいね・・・・カエル君」

そしてその場を去っていった

「カエルじゃないんですけどー」

フランの呟きが雲雀には聞こえたのか聞こえなかったのか。
振り向かずに去っていった
フランも雲雀に背を抜けて一歩また歩き出した


(師匠と張り合ってんですからすごいんだろーなー)