07 使えない、もう利用する価値もない。 存在する意味もない。 「もう、用済みです」 ◆ 「わざわざミーを呼び出して 何か、用でもあるんですかー?」 着崩してだらしなくズボンからYシャツを出し それの下のほうにはカエルのフェルトが縫い付けてある 緑色の色素の薄い綺麗な髪。 長く伸びた前髪の隙間から見える瞳には感情がなかった 生きる希望を、なくしたかのような 顔には殴られたような痣があった 青く変色した目元に、切れて血が出ている口 頬は大きく腫れあがり赤くなっていた 手足にも痣や擦り傷、切り傷。 見え居るだけで痛々しくなってくる有様だ 「心が痛むので僕の前でもそれ、消してもらえますか?」 「師匠がやったくせにその言い方はないんじゃないですかー」 「まぁいいでしょう。本題に入りますよ」 無言の相手をクフ、と癖のある笑い方をし見据える 「クロームを、消しなさい」 色のなかった顔に驚愕の表情が浮かんだ ◆ 「泣いてすっきりしたよ。人に話すのって 緊張するけど・・・話してよかった!!」 「私でよかったらいつでも協力すから!!」 「本当に、美姫さん。ありがとう」 “ありがとう” そう言って微笑んだ沢田くんの笑顔は眩しかった 「やっぱり笑顔がいいね!」 「え・・・そ、そうかな?」 照れたように笑う。 ツナは自分の中に人間らしい感情があったことに一人安堵した 「そうだ!さっきの、クロームちゃん?だっけ・・・ 生徒手帳とハルちゃんのクッキー届けたいんだけど」 「クロームはU−Dだから、えーっと・・・・ 2階の階段を左曲がったすぐの教室だよ!」 「ありがとう!届けてくるねっ」 駆けて行った美姫の背中を見ながらふと疑問に思う そういえば樫原さんって体調不良で授業抜けてるんだよね? サボリだと思いながらあえて触れないでおこう・・・ (なくしちゃった・・・) |