幹部 質素な造りの部屋の扉についているポスト。 紙の束が私の部屋の中に入れられた。 その紙の束は <幹部就任通知> 「え?」 幹部・・・・どういうこと!? 頭の中はクエスチョンマークが大量生産中だ。 自分はボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアーに所属している。 幹部にはとてもすごい方々しか所属できないらしい。 それなのに、それなのに!! 私は椎名夏姫 リングの種類は雲。 でもまれに2つの炎を灯すことができる人がいる ──それが私です! 雲と、微弱な霧の2つ。 幻術はあまり使いこなせないし戦闘力もそれほどなのに。 そんな並いやそれ以下な私が、幹部!? 正直1度もなりたいとは思わなかった。 廊下でたまに見かけるスクアーロさん。 いつもボロボロで、体張ってるんだろうなぁって思ってたら・・・ 見方からの攻撃。 しかも・・・・ボスがやってるとか。 そんな話聞いちゃったら正直入りたいとも思わないし、入れるとも思ってなかった。 頭をフルに活用しいろいろな説を上げてみる 浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・を繰り返すと1つの結論に至った 「そう、きっと入れ間違い! 隣に住んでる先輩かなり腕が立つし、幹部抜擢は先輩だよ!!」 やれやれ、びっくりして損しちゃった。 入れ間違いはいけないからポストに入れてあげよう。 さっきの紙の束をつかみ何気なしに裏をみてみる。 107号室 椎名夏姫 様 たったそれだけの文字なのに重い存在感。 たらりと背中に冷や汗が流れた。 「自分、なの?」 ドッキリね、はい分かりますよーっと。 隠しカメラが無いか部屋を見渡すがそれらしき物は見つからない。 そりゃ分かりやすく置いてるはずないか。 私が幹部だなんて、幹部だ・・・なんて。 「絶対ない!!」 「ありえないですよねー」 「本当、本当!あるわけな・・・・」 ちょい待ち。 誰と私は会話をしてるんだ・・・? 声が聞こえたほうをゆっくり振り向けばカエル。 「はじめましてー、フランっていいますー」 1度聞いたことがある。 期待の新米幹部、特徴的な帽子をかぶった霧の守護者が入ったと。 ふざけた口調のこの方が? タイミングよく幹部が私の部屋に来ることなんて、そうそう無いよね。 もしかして本当に、私? 「そうゆうことになりますねー」 「ナチュラルに心読まないでくださいよ!」 ミーよりマシですよー? そう言って、幹部になった経緯を聞いたけど、うん。 ヴァリアーって何でもありですね誘拐って・・・。 「じゃ、行きましょうかー」 「行くってどちらへ?」 「いま幹部招集してるから呼んでこいって言われたんですー」 「いまからですか!?」 どどど、どうしよう。 心拍数が急上昇でなんか体が大変なことになってるよ! 幹部に就任、そして今から幹部の皆さんの元に。 急展開すぎてやばいついてけない!! 「まーまー、緊張しすぎだろ」 「そ、うですよね・・・!」 大丈夫、確かに私やることはやってたもの。 それが今やっと功をなして認められた。 緊張であがりまくってるけど名誉なこと。 より一層がんばらないと─! (初めて出来た自分の後輩。) |