「あれは・・・・・・」
「じゅ・・・10代目!!」
「来たか・・・・・・だが」
ツナが現れても、XANXASは変わらずに薄く笑みを浮かべている。
「一体どーなっているんだ!?」
「モスカの奴、全てを破壊しつくすつもりみてーだな。
あの動きは人間じゃねーな。暴走しちまってんのか?」
続いて現れたリボーンとバジルは、ミサイルを避けながらグラウンドを進む。
「カスから消えていく。それに変わりはねぇ」
ツナは自分に向かってくるミサイルを見つけ、地面を強く蹴った。
そのままグローブに炎を灯し、旋回する。
「な、何ー!?」
「と・・・・・・飛んでる!!」
数メートル上昇したツナは、そのまま一気に降下し、一瞬でモスカの片腕を引きちぎった。
「な・・・・・・何をしたんだ!?何だ?今の動きは!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「おい、デクの棒。おまえの相手はオレだ」
もぎ取ったモスカの腕が爆発する。
ツナは至って冷静にモスカを見据えた。
危険な物体を発見
標的を変更
殲滅せよ
無差別だったモスカの標的が、ツナ1人に定まった。
****
一方、イタリア。
ボンゴレ本部にほど近い森の中に車を止めて待機しているのはジュン、リズ、理斗の3人だ。
昨日、モレッティと合流した一行はそのまま内部へ進み、理斗1人だけは逆走して外へ出た。
何やら不足の事態が生じているようなので、速めに桜野兄妹を呼んだ方がいいだろうと考えたからだ。
しかしそれから丸1日経過した今。
ターメリック達からは一向に連絡がこない。
「・・・どうなってんだ?」
ジュンはぽつりと呟いた。
****
モスカから放たれたミサイルが全てツナへ降り注いだ。
「さ・・・・・・沢田が!!」
「全弾が10代目に!!」
「モスカの奴、ターゲットを絞ったな」
モスカのボディ部分にある丸い穴から炎が放たれる。
それを交わしたツナは一息にモスカとの距離を詰めた。再び炎が放たれる前に穴に拳を叩き込んで発射孔を破壊する。
「つ・・・・・・強い!!」
「ああ」
「さすが10代目!!」
喜ぶツナ側とは反対に、焦ったレヴィはXANXASを顧みた。
「ボ・・・・・・ボス!!・・・・・・!?」
うっすらと笑むXANXASに気づいたのはレヴィだけだ。
「さすがです!あんな機械兵器、沢田殿の相手じゃない!!」
すぐ近くで聞こえた声に璃真は振り返った。
バジル君とリボーン君がいる。
いつの間にか、そばまでやって来ていたようだ。
「・・・だが一つ・・・ひっかかるな」
「え?」
「うん」
リボーンの言葉に首を傾げるバジルと、同意する璃真。
「随分と回りくどいやり方だよね」
「ああ。モスカを全力でヒバリと戦わせて勝ち越しを決めてから、皆殺しにすることも考えられたはずだ」
「うん・・・。XANXASさんは何を狙って・・・」
違和感を感じているのはリボーンと璃真だけでなく、ツナも同じだった。
「XANXAS・・・・・・一体これは」
言いかけたところで、モスカがツナに飛びかかった。
一直線に飛んでくるモスカを左手で受け止め、右手に炎を灯す。
そしてそのまま頭からモスカを焼き切った。
モスカの動きが止まる。
ツナが勝ったと判断した獄寺達は笑みを浮かべて喜んだ。
しかし。
「!?」
ズル・・・とモスカの中から何かが傾いてきた。
XANXASが怪しく笑う。
それはそのまま倒れ、地面に音を立てて落ちた。
「・・・・・・9代目・・・?」
驚愕の表情で目を見開いた璃真がぽつりと声をこぼした。
そう、モスカの中から現れたのは、紛れもなく、ボンゴレ9代目、その人だった。
ゴーラ・モスカ
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