「それでは只今より後継者の座を賭け、リング争奪戦を開始します」
「あちらをご覧ください」
チェルベッロに言われたほうを見ると・・・
「な・・・・・・何これー!!?」
「我々が用意した特設リングです」
「リング争奪戦では各勝負ごとに特別な戦闘エリアを設置いたします」
「あんな大がかりなものを〜!!?」
「ケッコー金かかってんね」
「勝負は見えてるんだ。無駄使いだよ」
「ねぇ?ボス、まだかしら?私の晴れ舞台だっていうのに〜」
「欠席みたいだね」
「あの男が他人の戦いに興味あるわきゃねぇ・・・。
そもそも奴の柄にもねえような、こんなセコイ勝負うけねえで、オレに殺らせればいいんだ。
あんなガキども、5秒でかっさばくぜぇ・・・」
「殺しは反対。殺すのは仕事だけで十分でしょ。無意味な殺しは許しません」
「それでは、晴の守護者はリングの中央へ来てください」
璃真はツナ達のほうに駆け寄った。
「頑張ってね、了君」
「うむ!行ってくるぞ!まかせておけ!」
「なあ、円陣とか組まねーの?」
山本の言葉に了平はピクッと反応した。
「そいつは燃えるな!!一度、やってみたかったんだ!!」
「あははっ。ボクシングは個人戦だから、円陣ないもんね」
「え゙ー!?」
「バカヤロー!!そんなダッセーこと!!」
嫌がるツナと獄寺に了平と山本が無理矢理、円陣を組ませた。
「璃真!入れよ!」
「あー・・・ごめん。私は入れなかな・・・」
璃真は苦笑した。
「私は中立の立場なの。どちらか一方を特別扱いは出来ない・・・
ゴメンね・・・」
「そうか・・・なら、オレが勝って璃真を迎え入れればいいのだな!」
「了君・・・」
「なら、僕達が入ってもいい?」
「璃真様の変わりってわけじゃないけど」
「もちろん!な、ツナ?」
「うん!」
「やったー!ほらっ!理斗も!」
「オレも・・・?」
「「うん!」」
「入れよ!」
半ば強引に理斗を入れ、円陣が完成した。
「では!了平ーッファイッ」
「「「オー!!」」」
「おー・・・」
「おー?」
「・・・・・・」
「よーし。極限力がみなぎってきたぞ!」
「(自分で了平ファイって言ったよ・・・)」
「では、晴のリング、ルッスーリアVS.笹川了平
勝負開始!!」
開始と同時にリングの照明が一斉に点いた。
「リングが光ってるーーー!!!」
「この特設リングは晴の守護者の決戦にふさわしく設計された疑似太陽により、照らしだされる日輪のコロシアムなのです」
「何も見えないね・・・」
「オレのサングラスを貸してやる」
「ありがと」
もともとサングラスをかけているルッスーリアは、眩しすぎて目が開けられない了平の腹に膝蹴りを入れる。
「了君にサングラスは渡せないの?」
「はい。勝負中の守護者との接触は認められません」
「そんな・・・」
圧倒的に不利な状況。
「どこだ!?」
「こっちよ」
ガッ!
ルッスーリアは遠慮なく了平に殴りかかる。
そして、メタルニーにより、了平の左腕がやられた。
「立てコラ!!!」
この絶望的な場面に、コロネロが現れた。
「あのチビは、アルコバレーノのコロネロだぜぇ」
「なぜ奴がここに?」
「そろそろ頃合だぜ。お前の本当の力を見せてやれ、了平!!」
「コロネロ・・・・・・・・・師匠・・・・・・!!
その言葉を待っていたぞ!!」
了平はそう言って立ち上がった。
「いくぞ・・・
パリーン・・・・・・
照明が割れた。
了平の目が開かれ、ルッスーリアを見据えた。
「ゆくぞ極限!!」
「超えられない壁っていうのを、教えてあげるわ」
「うおおお!!!
極限太陽!!」
了平は渾身の力を込めて右ストレートを繰り出した。