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「姫。なんでわざわざ、相手に興味を持たれるような発言したんだ?」
軽快にハンドルを回しながら、ジュンはミラー越しに璃真を見た。
「だって、しばらく池袋に滞在することになったんだよ?
情報屋として名高い折原臨也と、親しくなってみるのも一興じゃない」
「聞いた話じゃ、相当頭のイカれた奴みてーじゃん?何かあったらどうすんだよ。
池袋の街が恭弥と骸の手で壊滅するって」
「大丈夫。2人とも、もう大人なんだから」
「・・・・・・はぁ・・・
(姫は自分がどれほどあの2人に好かれてるかわかってねぇ・・・・・・。
ま、俺だって誰かが姫に何かしたら池袋が崩壊しようと構うことなく相手をぶっ飛ばすけど)」
「それよりジュン」
「なんだ?」
「私はリボーン君に言われて池袋に来たわけだけど、恭弥達には誰か伝えてくれたの?」
「綱吉が行ってたぜ。愛羅の所には双子が行ってた」
「ツナ・・・大丈夫かな・・・・・・戦闘にはならないと信じたい・・・」
ぼんやりと考え事をしていると、キキィと車が停止した。
見るからに高級そうなマンションだ。
「ボンゴレ所有のマンションらしい。部屋は最上階。最上階は1部屋しかないから隣への騒音を悩む必要も無し!」
「・・・まさか、わざわざ建ててくれたの?」
「XANXASがな!」
「えっ!?XANXASさんが!?」
思いがけない名前に璃真の目が丸くなる。
「え、リボーン君に池袋に行くように言われたのは1週間前だったのに何で完成してるの?早くない?」
「それはヴァリアークオリティってやつだ。工事はヴァリアー隊員によって行われたらしい」
「・・・・・・・・・」
ヴァリアー隊員をそんな風に使っていいのかな・・・・・・。
「ちなみに、工事に携わった隊員達は姫の為に働けて光栄だって」
「え、そんな・・・私の方こそお礼言わないと!」
「どうせ都内のどっかに建てる予定だったから気にすんなって」
XANXASさんは相変わらず優しいなぁ。
「後でお礼言っておくね」
「仕事で日本にくることがあったら、ここに泊まるってさ」
「そっか」
「んじゃ、俺も仕事行ってくるわ」
「うん。忙しいのにありがと、ジュン」
「姫の為ならコンビニでアイス買って来いって夜中に言われても、イタリアからこっちに来るさ」
「あははっ、さすがにそんなことじゃ呼ばないけど、何かあったらお願いね」
「もちろん」
ジュンはそのまま車に戻り、マンションの前には私1人。
よろしくね。
これから巻き起こる、非日常。
非日常が当たり前
「あ、もしもしツナ?無事?」
「《姉さ》」ドカッ「《璃真かい?何で池袋なの?》」
「・・・とりあえず、ケータイをツナに返してあげて、恭弥」
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