「永山さん!璃真さんの話って、何だったの?」
璃真さんが関わっていることだからか、クラス全員が、永山さんに詰め寄った。
「えっと・・・ね・・・」
少し間を空けて、永山さんはポツポツと話し始めた。
きっとあなたは・・・
「あの・・・生徒会長さんって・・・・・・その、京子ちゃんと仲良しみたいで・・・」
あの人が、どういう人かも知らないで・・・
「“京子が可愛いからって僻むな。これ以上、京子に手を出すなら、容赦しないから”って言われたの・・・」
呆れる程バカなことを・・・
「・・・・・・・・・それ、璃真さんが言ったのか?春菜ちゃん」
「うん・・・お前は敵だ、ブスが調子に乗んなって・・・
私、怖いよ・・・!あの人が怖いよ・・・」
・・・・・・言うんでしょうね。
美歩が春菜を嘲笑うかのように口元を緩めたことに、気づいた人は誰もいなかった。
ほんと、呆れるほどバカでマヌケな人。
「あの人、暴力を振るうつもりみたいなの・・・。
ねぇ!助けてぇ・・・?」
そう言って、目を潤ませる永山さん。
男子生徒の腕に絡みついて、上目遣いも忘れない。
ふふっ、期待を裏切らない人。
「助けて、ねぇ。
無理だな!」
「・・・・・・え?」
意味が理解できなかったのか、一瞬固まった。
「な、なんで・・・?」
「だって・・・
お前はオレらの敵だろ、永山春菜」
「え・・・!?」
何を言われたのか、理解できていないみたいだけど・・・。
「璃真さんが、そんなこと言うわけねーし」
「それに、もし言っていたなら、璃真さんは、あなたを敵と言ったんでしょ?」
「なら、璃真さんの敵はオレらの敵ってな!」
「つーか、璃真さんが怖いとか、ウケるし!」
「あんなに優しい人はいないっつーの!!」
「あんたバカね、璃真様のこと知らなかったの?」
何も知らないバカなあなたは、並盛の支配者に手を出した・・・。
何が・・・どうなってんのよ・・・・・・?
さっきまで私の駒だった男子も、
巻き込まれたくないから無関心を装っていた女子も・・・
“璃真”の名前を出した途端、いきなり敵になってしまった・・・。
なんで・・・?
なんで・・・
なんでなんで!?
可愛い春菜が、脅されたのよ?!
こんなに脅えてるのよ?!
何で・・・・・・何で誰も心配しないの!?
心配しない所が、明らかな敵意を向けられる。
次にどう動けば良いのか分からず、ただ茫然と立ち尽くしていると、放送のスイッチが入った音がした。
「《生徒会からお知らせです》」
!!!!
それは紛れもなく、つい先ほどまで話していた、女の声。
クラスメート達も、私のことを、とやかく言っていたのが嘘の様に静まり返った。
女の声を聞き漏らさないために・・・?
「《5時間目は全クラス授業を中止し、生徒総会とします。
予鈴が鳴り次第、速やかに体育館へ移動してください》」
なに・・・・・・?
一体、何が始まろうとしているの・・・?
すべては自分が招いた結果。
こちらで鳴いた、