バカ女こと永山さんが何をするか気になって、気になって・・・。
翌日は、ワクワクしながら教室に向かった。
ら、なんと既に涙している永山さんを発見。
あれ?
もしかして、京子ちゃんにイジメられちゃいましたー?(笑)
男子生徒に囲まれて、慰められている永山さん。
周りの女子も驚きを隠せない・・・って感じ?
「ね、永山さん、どうしたの?」
「机、見てみなよ」
机・・・?
おっ!
見ると、死ね、ブス、ぶりっ子、厚化粧・・・・・・。
もしかして、女子の誰かがやっちゃった?
に、しても全部正しいから反論できないよね。
あ、ブスの前には“性格”って付けなきゃダメだけど。今はカミサマが作ったキレイなカオだもんね?
「誰がしたの?」
「わかんないのよ。ぶっちゃけ、クラスの女子全員が永山さんを嫌ってるじゃない?あ、京子ちゃんは別ね?
で、こんなことするなら私も呼んでくれたら良いのにって思って、片っ端から聞いていったんだけど・・・」
「みんな知らないって?」
「そ」
詰まんないなーって呟くく友人の顔は、とっても楽しそう。
私?
私は楽しそうって思ってるけど、顔には出してないよ?
顔はにやけやすいけど、肝心なときはポーカーフェイス完璧だから。
「君にイジメる気がないってバレてたんじゃないの?」
「私は、やるときはやる女よ?」
「知ってる。でも、今はやるときじゃないでしょ?」
「まぁ・・・ね。だって、イジメなんてして、璃真さんに嫌われたらヤだし」
そう。
“璃真さんに嫌われたくない”
それは、この学校にいる全員と言っても過言ではない人達が思っていること。
イジメなんてしたら、すぐに璃真さんの耳に入ってしまう。
ましてや、相手は季節外れの美少女転校生。
そして、璃真さんの弟がいるクラス。
ターゲットも舞台も、一番チョイスしちゃいけないものだ。
なら、これは自演?
同情を引こうって?永山さん。
安っぽい不幸自慢はいらないんだけど。
「春菜ちゃん、犯人に心当たりは無いのか?」
「・・・ぐすっ・・・・・・春菜・・・わかんないぃ・・・よぉ・・・
だってぇ・・・昨日・・・来たばっかりだしぃ・・・・・・みんな友達だと・・・ヒック・・・思ってたんだもぉん・・・」
涙目の永山さんに上目遣いされ、男子達は顔を真っ赤にする。
ちなみに、あの3人組はまだ来てない。
「チックショー!誰だよ、春菜ちゃんの机にこんなの書いたやつ!」
1人が机をばんっと叩いて、声を上げた。
「どうせ女子の誰か何だろ!?」
「はぁ?!うちらは、やってないわよ!!!」
「春菜ちゃんが可愛いから僻んだんだろ!?」
ギャーギャーと言い合うクラスメイト達。
「はぁ・・・これだからガキは・・・」
私の横で、花ちゃんが小さく呟いた。
いやいや花さんや。
同い年ですよ。
始まった茶番
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