fragola
雲雀夢/少陰夢


Since:2010/08/01
Removal:2013/04/01





「今日は重ね重ね、すみませんでした」



職員室から校門へと歩きながら、今日で何度目になるかわからない謝罪をした。



「別に良い、気にするな。それより沢田は何年なんだ?」


「い・・・3年です」



本当は高校1年生。


しかし、先ほど聞いたことだが、ここは中学らしい。

(ちなみに神奈川県)


1年くらい、誤魔化せるよね・・・?



「みなさんは?」


「俺と仁王は3年だ。切原は2年」


「へぇ・・・」



仁王君とじゃれている・・・いや、仁王にいじられている(?)切原君をじーっと見る。



「ふふっ、部活仲いいんですね。先輩と後輩なのに、変な遠慮がなくて」


「一緒に戦っている仲間だからな」



仲間、か。



「それより沢田、家はどの辺りなんだ?」


「え?あ・・・・・・」


わ、忘れてた・・・・・・。


家、確保しないと・・・。



「まだ決まってないんです。今日こっちに来たばかりなので」


「そういえば大荷物だしな」


「じゃあ、どうするんスか?今日」


「適当に駅前のホテルに泊まります」


「なら駅まで一緒に行くか?」



駅までの道・・・知らないし・・・・・・。



「是非、お願いします」










****



「二連覇ですか。凄いですね!」



駅に行く道すがら、これから通うかもしれない学校(立海大付属と言うらしい)について聞く。



「そうなんスよ!幸村部長と真田副部長と柳先輩は3強って言われてて、立海の中でもめちゃめちゃ強いんス!」


「赤也は入部と同時に3人に挑んでボロボロにされたんじゃ」



ニヤリと意地悪そうに仁王が言った。



「ちょ、仁王先輩!」


「ふふっ、恥じることないと思いますよ?

強い人に挑むのは良いことですし、それを行動するには勇気がいります。

負けることは悪いことではありません。怠慢を防ぎ、自分を見つめるいい機会じゃないですか」



にこっと微笑む璃真に、赤也の顔が真っ赤になる。



「ひょっとして切原君はアグレッシブベースライナーですか?」


「あ、はい!////」


「よくわかったな」



柳が感心したように言った。



「性格的にそうかな、と。ただの勘です」


「ふむ。テニスには詳しいのか?」


「ルールがわかる程度ですが・・・。試合という感じの試合はしたことがありませんし」



ってか死合だし?


ボンゴレ式テニスもどきだから。


ああ・・・思い出すのもおぞましい。



「そうか」



・・・と、話しているうちに駅についた。



「今日は本当にありがとうございました。転入したら、よろしくお願いします」



そう言って、3人と別れて、適当なホテルにチェックインした。



今回の報酬が多くて良かった!


半年くらいなら、生活に困らないだろう。


ホテルに設置されているパソコンでネットを開く。



並盛までの距離と、ボンゴレの現状から推測できる、今の自分の立場を調べなきゃね!


まずは並盛並盛!


カチッ


「・・・・・・・・・え・・・?」



Enterキーを押した璃真。

それまで淀みなく動いていた手が止まり、表情も固まった。



「嘘・・・でしょ・・・?」



並盛町

―――該当件数0件。

キーワードをお確かめ下さい。



そんなバカな!


慌てて黒曜を検索するが、これも同じ。


しかも、ボンゴレの情報も何一つ無い。


赤い惑星も然り。



もしかしてこれは、バズーカで時代が変わったんじゃなくて・・・・・・



「パラレルワールド・・・?」



世界が変わってしまった・・・・・・ってことなの・・・?






気がつくと
そこは私が在るはずの無い世界




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