「今日は重ね重ね、すみませんでした」
職員室から校門へと歩きながら、今日で何度目になるかわからない謝罪をした。
「別に良い、気にするな。それより沢田は何年なんだ?」
「い・・・3年です」
本当は高校1年生。
しかし、先ほど聞いたことだが、ここは中学らしい。
(ちなみに神奈川県)
1年くらい、誤魔化せるよね・・・?
「みなさんは?」
「俺と仁王は3年だ。切原は2年」
「へぇ・・・」
仁王君とじゃれている・・・いや、仁王にいじられている(?)切原君をじーっと見る。
「ふふっ、部活仲いいんですね。先輩と後輩なのに、変な遠慮がなくて」
「一緒に戦っている仲間だからな」
仲間、か。
「それより沢田、家はどの辺りなんだ?」
「え?あ・・・・・・」
わ、忘れてた・・・・・・。
家、確保しないと・・・。
「まだ決まってないんです。今日こっちに来たばかりなので」
「そういえば大荷物だしな」
「じゃあ、どうするんスか?今日」
「適当に駅前のホテルに泊まります」
「なら駅まで一緒に行くか?」
駅までの道・・・知らないし・・・・・・。
「是非、お願いします」
****
「二連覇ですか。凄いですね!」
駅に行く道すがら、これから通うかもしれない学校(立海大付属と言うらしい)について聞く。
「そうなんスよ!幸村部長と真田副部長と柳先輩は3強って言われてて、立海の中でもめちゃめちゃ強いんス!」
「赤也は入部と同時に3人に挑んでボロボロにされたんじゃ」
ニヤリと意地悪そうに仁王が言った。
「ちょ、仁王先輩!」
「ふふっ、恥じることないと思いますよ?
強い人に挑むのは良いことですし、それを行動するには勇気がいります。
負けることは悪いことではありません。怠慢を防ぎ、自分を見つめるいい機会じゃないですか」
にこっと微笑む璃真に、赤也の顔が真っ赤になる。
「ひょっとして切原君はアグレッシブベースライナーですか?」
「あ、はい!////」
「よくわかったな」
柳が感心したように言った。
「性格的にそうかな、と。ただの勘です」
「ふむ。テニスには詳しいのか?」
「ルールがわかる程度ですが・・・。試合という感じの試合はしたことがありませんし」
ってか死合だし?
ボンゴレ式テニスもどきだから。
ああ・・・思い出すのもおぞましい。
「そうか」
・・・と、話しているうちに駅についた。
「今日は本当にありがとうございました。転入したら、よろしくお願いします」
そう言って、3人と別れて、適当なホテルにチェックインした。
今回の報酬が多くて良かった!
半年くらいなら、生活に困らないだろう。
ホテルに設置されているパソコンでネットを開く。
並盛までの距離と、ボンゴレの現状から推測できる、今の自分の立場を調べなきゃね!
まずは並盛並盛!
カチッ
「・・・・・・・・・え・・・?」
Enterキーを押した璃真。
それまで淀みなく動いていた手が止まり、表情も固まった。
「嘘・・・でしょ・・・?」
並盛町
―――該当件数0件。
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そんなバカな!
慌てて黒曜を検索するが、これも同じ。
しかも、ボンゴレの情報も何一つ無い。
赤い惑星も然り。
もしかしてこれは、バズーカで時代が変わったんじゃなくて・・・・・・
「パラレルワールド・・・?」
世界が変わってしまった・・・・・・ってことなの・・・?
気がつくと
そこは私が在るはずの無い世界
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