庭球 白石夢(?)
「待って!」
え?
声を出す間も無く、強く腕を引かれた。
よろめいた体は腰に回された腕で支えられる。
視界いっぱいに飛び込んだのは必死な様子の、まるで夢物語の王子様のような、麗人。
し・・・白石先輩だ・・・・・・!
入学して数ヶ月。我が学校の王子様と名高い彼のことはさすがに知っていた。
ドキンドキンと速まる鼓動。
「っ急に、その、すまん!!あ、あんな!」
真剣な眼差しに、視線がそらせない。
え、え、もしかして先輩・・・・・・
「めっっっちゃ好みの香りやねんけど!!シャンプー何使ってんの!?」
「女子か」
トキメキの返却を要求します。チクショー。
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