黎明の未来の現パロ※特殊
公式の現パロ設定で、見た目や名前は、平安の彼らと同じだけど、全くの別人、ってことに、車之輔が衝撃を受けてたから、同じ衝撃を神将たちが受けることもあるんじゃないかと思った。
平成になって、安倍の何代目かの当主、晴明の次男に娘が生まれる。
晴明の息子が吉平と吉昌で、吉昌の息子が、成親、昌親、と続いたから、神将たちは生まれた女の子に“理紗”と名付けた。
成親も昌親も、みんな平安の彼らの生き写しのようだし、性格もそっくりだったので、当然、理紗も平安の理紗のような性格に育つと思っていた。
しかし、平安の理紗はそもそも生まれながらにして自我が出来上がっていた特殊な人であり、平成の理紗は、本当に普通に生まれたただの子どもだった。
ゆえに、平成理紗がしゃべったり、一人で動けるようになってから、神将たちはあまりの似てなさに愕然とする。
転ぼうが、怒られようが、青龍に睨まれようが、絶対に泣かなかった平安理紗と違い、普通の子どもな平成理紗はすぐに泣く。
これが普通なんだけど、神将たちからしたら普通じゃない。“理紗”じゃない。
つい、平安理紗に接するように怒鳴ったら、思いっきり泣かれて狼狽する青龍とか、小難しい話に首を傾げられて当惑する玄武とか。
「“理紗”だったらこれくらい・・・」という気持ちから、もう違和感がありすぎる。
見た目も声も、何気ない仕草まで、間違いなく“理紗”なのに、“理紗”じゃない平成理紗。
時を重ねる内に、なんとか平安理紗と平成理紗は違うと割り切れるようになったけど、でもふとしたときに、つい重ねてしまう。
それでもやっぱり見た目は“理紗”なので、神将たちはみんな平成理紗に優しい。でも時折感じる“理紗じゃない”って気持ちでもやもやする。
そんな神将たちのもやもやを感じ取って、同じくもやもやする平成理紗。
「・・・あいつは理紗だ・・・」
「ああ・・・。だがあいつは“理紗”ではない・・・」
「わかっている・・・!わかっては、いるんだ・・・誰かの生まれ変わりなんて存在しないことは・・・。だが、晴明も、吉昌も露樹、成親に昌親、昌浩だって、“そう”なのに、なぜ、なぜ理紗だけ“違う”んだ!」
みたいに嘆く神将の会話をたまたま聞いちゃったりね。
誰も悪くないんだよ。でも重ねてしまうのも仕方ないんだよ。
平安理紗は、それくらい愛されて愛されて、愛されていた人だったから。
と、いう具合で突き進みたい。落ちは実は太裳を予定している。
「みんなは誰を見ているの!?私は理紗よ!理紗は私の名前だもの!でも!でも!彼らの“理紗”は私じゃない!“違う”と言われても、私には何が違うのかわからないのよ!
っ、だったら私はいったい誰なの!?なんで!なんで・・・“理紗”なんて名前を、つけたのよ・・・っ!」
泣き叫ぶ理紗を抱きしめたのは太裳。
「・・・・・・確かにあなたは理紗様ではありません。あの方は、本当に泣かない人でした」
祖父に似て食えない性格で、豪胆で、とても、とても優しいひとだった。
「ですが、あなたは“理紗”ですよ。安倍理紗です。大丈夫ですよ、ご自分でも仰ったでしょう?“理紗”はあなたの名前です」
て、感じで優しく太裳が包んであげてほしい。
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